2018年度活動レポート(一般公募コース)第309号
水俣の教訓と地域の現状及び課題を理解し、地域社会の持続可能性を考える
熊本県水俣市からの報告
水俣市では、2018年12月11日から12月18日までの8日間、シンガポール共和国(シンガポール社会科学大学)、台湾(国立台北科技大学)、タイ王国(カセサート大学)から10人の大学院生及び大学教授等を招へいし、水俣病の実情と教訓を正しく理解するとともに、環境問題や地域の再生・活性化に取り組む活動を学ぶフィールドワークを行いました。
さらに、水俣環境アカデミアと連携している大学教授及び研究者等により海洋生態学、再生可能なクリーンエネルギー学、環境工学等、最先端の科学技術について学ぶとともに、日本における環境行政についても学ぶことができました。
研修の最終日は、九州大学において、GDP(国内総生産)に代わる新たな経済的指標である「新国富」について学びました。
研修1日目:12月11日(火)
福岡空港到着後、福岡県にあるJR西日本博多総合車両所を見学しました。
その後、水俣市に移動し、水俣環境アカデミアでオリエンテーションを行いました。
研修2日目:12月12日(水)
アカデミアにおいて開講式を行いました。その後、水俣第一小学校において小学5年生と異文化交流事業を行い、学校給食を一緒に体験しました。
午後からは、国立水俣病総合研究センターに移動し、国立水俣病総合研究センターの取組みや毛髪水銀濃度の測定及び水銀分析技術について学びました。
研修3日目:12月13日(木)
エコパーク周辺にある水俣病情報センター、熊本県環境センター、水俣病資料館を見学しました。その後、アカデミアにおいて、熊本県環境センターの篠原館長によるクリーナープロダクションの講義、水俣環境アカデミアの古賀所長による水俣市環境行政概要の説明を行いました。夕方には、地域住民によるごみ分別作業を見学・体験しました。
研修4日目:12月14日(金)
JNC株式会社水俣製造所及びみなまたエコタウンにある田中商店のガラスびんのリユース、リサイクル工場を見学しました。午後から、愛林館へ移動し、愛林館の沢畑館長から棚田のしくみ、林業について、愛林館の取り組み等についての研修が行われました。
研修5日目:12月15日(土)
午前中、アカデミアにおいて、熊本大学の鳥居教授による環境エネルギー学に関する講義、SEAHORSEの森下様による水俣湾の再生に関する講義を行いました。午後には、ホストファミリーや水俣高校生などといった地域住民が参加して、ランチミーティングを行いました。ランチミーティングでは、水俣高校剣道部及び新体操部によるアトラクションも行われ日本の文化に触れる体験もできました。
ランチミーティング終了後、水俣市の各家庭にホームステイし、日本の生活文化に触れました。
研修6日目:12月16日(日)
アカデミアにおいて、熊本県立大学の堤教授による海洋生態学に関する講義を行いました。午後からは、水俣浮浪雲工房において、紙漉き体験と草木染め体験をしました。その後、翌日の研修のため、福岡に移動しました。
研修7日目:12月17日(月)
九州大学において、馬奈木主幹教授による「新国富」による地域持続可能性についての講義が行われました。閉講式では、各研修生に対し、アカデミアの古賀所長を通じてさくらサイエンスプログラム修了証が授与されました。