2018年度活動レポート(一般公募コース)第308号
中国の大学生が日本の人工知能に関する科学技術を学ぶ
富山大学工学部人工知能研究室からの報告
富山大学工学部人工知能研究室では、平成31年1月12日から1月19日の間、さくらサイエンスプログラムにより、中国常州工学院の大学生14名(および引率教員1名)を招へいしました。これは日本の人工知能に関する科学技術について学び、両国の文化や社会的な差異を考慮した持続可能な発展社会の在り方を議論する研修として実施しました。
1月12日(土)
初日、富山に到着してホテルへ行きました。懇親会では、まず富山大学教授・唐先生が「日本での中国精神」に関するスピーチをしました。唐先生から歓迎の挨拶があり、その後、受入れを行う人工知能研究室の担当者と訪問者の自己紹介などを行いました。
1月13日(日)
オリエンテーションを行った後、午前は、金沢大学の唐堂先生により、日本の教育状態及び人工知能の最先端の技術(人工ニューラルネットワーク、人工免疫システムなど)についての講演が行われました。午後は、唐堂先生により、人間の知的能力をコンピュータで実現する技術が紹介されました。そして、学生さんから提出された質問に対して、熱心に解答していただきました。
1月14日(月)
午前中、学生さんたちは唐堂先生の指導を受けながら、人工ニューラルネットワーク・人工免疫システムの開発に取り組んで、演習を行いました。さらに、この演習で小テストを解くとともに、自分たちがどのようなことを学んだのかについて発表をしてもらいました。
午後は富山大学の施設見学を行いました。キャンパスツアーや研究室訪問・施設見学を実施し、その中で高先生が人工知能研究室を案内しました。学生さんたちは人工知能の最先端の技術に対して、関心を寄せました。
1月15日(火)
富山大学工学部人工知能研究室の学生を交え、研究交流セミナーを行いました。まず、高先生が富山大学工学部について、学部の規模や研究成果や教育方針などを説明しました。そして、人工知能研究室の博士学生が人工ニューラルネットワーク・人工免疫システムについての研究成果の発表を行い、共同研究などについてディスカッションを行いました。招へい者たちのほとんどがセミナーのような会議への参加は初めてであり、ゼミならではのアカデミックな雰囲気を皆さん非常に気に入ったようでした。その後、複素数免疫システムに関する演習を行いました。
1月16日(水)
高先生の「創造ものづくり工学」の講義において、どうやってクリエイティブなアイデアを考え付くのかについて説明が行われました。そして、実際に創造ものづくりプロジェクトを行っている富山大学の学生に成果発表を行ってもらい、招へい者の学生たちにとって大変有意義な見学となりました。その後、複素数免疫システムに関する演習を行いました。
1月17日(木)
唐先生の講義風景を見学しました。その後、複素数免疫システムに関する演習を行いました。また帰国前には、さくらサイエンス修了式を行いました。唐先生により研修修了書とさくらサイエンスプログラムのバッジを授与された後、両国の教育・研究その他について話がはずみ、少なからず日中友好が促進されたと思います。
1月18日(金)
日本文化を理解するため世界遺産である五箇山の学術調査も兼ねた施設を訪問し、日本の歴史、民俗などの理解を深めました。犂、わっば、角灯など日本古来の物も見学し、「日本紙」を作って、日本文化も学ぶことができました。
1月19日(土)
午前中にホテルから富山空港に向かい、帰国の途につきました。今度の見学で、日中文化交流が促され、当初の本計画の目的を充分に達成できたと実感しています。
最後に、本技術研修を支援してくださったさくらサイエンスプログラム、ならびに本技術研修にご協力いただいた教員・学生・事務の皆様に感謝申し上げます。