2018年度活動レポート(一般公募コース)第303号
水棲非モデル生物を使ったゲノム編集技術に関する共同研究
中部大学からの報告
このたび、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インド共和国ハイデラバード大学より博士後期課程大学院生ソニカ・カーさん1名を招き、共同研究プログラムを実施しました。来日期間は2018年12月1日から12月19日までの19日間でした。
共同研究としては短い期間でしたが、共同研究に関わる実験の実施、講義、講演会、交流セミナーなど、充実した滞在期間を過ごしてもらえました。
具体的には、あらかじめ用意した実験生物(ヘイケボタルの卵)を使ったマイクロインジェクションを実際に操作してもらい、孵化までの飼育操作も行いました。講義は、昆虫のCRSIPRの専門家である名古屋大学理学部の八木克将博士からゲノム編集の最新事情について、中部大学応用生物学部長の福田雅夫博士からは遺伝子解析実験の応用について、パワーポイントを使った説明を頂きました。また、中部大学応用生物学部の武井史郎博士からは、魚類の目の解剖に関する実験ノウハウを実際の魚を使ってご指導いただきました。中部大学応用生物学部の長谷川浩一博士からは、研究ディスカションに参加していただきました。
休憩時間には、中部大学の中のいろいろな施設を案内し、中部大学を知ってもらうことができました。例えば、国際交流センターのセミナーに参加したり、超電導・持続可能エネルギー研究センターに行って井上徳之博士の解説を受けたりしました。
また、中部大学天文台を見学し、茶室にも案内しました。また、中部大学の大学院博士後期課程に所属し、今年学位を取得して日本の企業に就職することの決まっているインド出身の学生と交歓する機会も持つことができました。
週末は、日本とくに名古屋の文化を知ってもらうために、名古屋徳川美術館、東山動植物公園、名古屋港水族館、名古屋城などを見学してもらいました。また、大型ショッピングモールもインドにはない文化だったので、近くのイオンモールにも案内しました。徳川美術館の庭園や中部大の茶室が印象に残ったようです。また、ショッピングモールの大きさと品物の充実ぶりにも驚いていました。年末も近かったので、お正月のしめ飾りなど、日本らしいものをお土産に買っていました。
早朝から漁港に行って、市場のセリを見学もしました。ソニカさんの専門が魚類であることから、日本の漁業の実際を見てもらえたと思います。
最終日前日の夜は研究室の留学生を中心に、インド料理の店に行き、そのメニューひとつひとつを解説してもらいながら、私たちもインドの文化に少し触れることができました。
今回の共同研究と交流を通じて、私の研究室とソニカさんの所属するセンチルクマラン教授の研究室、さらには中部大学とハイデラバード大学、日本とインドの将来的な国際交流が深まることが期待できる19日間でした。
この度は貴重な機会をご提供いただきました、さくらサイエンスプログラムに心より感謝いたします。