2018年度 活動レポート 第301号:京都大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第301号

プライバシー保護可能な個人データの分析と利活用基盤技術に関する研究交流

京都大学大学院情報学研究科

さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、平成30年12月3日から23日までの3週間、中国武漢大学の研究者・学生10名(学部生3名、大学院生5名、教員2名)が来日し、プライバシー保護可能な個人データの分析と利活用基盤技術に関する研究交流を行いました。

京都大学の学術交流協定校である武漢大学の前身は清代の1893年に張之洞により創立された自強学堂で、中国で最も歴史がある国家重点大学の一つです。訪日チームの引率者である彭教授は、1995に京都大学の博士学位を取得しており、日中の交流に非常に熱心です。また、来日の8名の学生は武漢大学の学内公募で選抜されたきわめて優秀な青年です。

3週間の活動では、個人データ・観光データ・医療ビッグデータの格納・分析・利活用について活発な議論・交流を行いました。これらの議論を経て、今後のさらなる研究交流と共同研究を推進するため、武漢大学側は中国科学技術省の日中両国間科学技術交流項目の公募、京都大学側は京都大学の国際交流支援項目の公募にそれぞれ応募しました。

京都大学の吉川・馬研究室や石田・松原研究室をはじめ、京都大学のキャンパス・研究施設を見学し、京都大学の研究者・学生と交流を行いました。研究活動だけではなく、余暇時間でのスポーツやカラオケなどの懇親を通して、両国の学生らの交流を深め、相手国の文化の理解や国際意識を高めることができました。

また、京阪奈学研都市にある研究施設(情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所、オムロン京阪奈イノベーションセンターなど)を見学しました。これらの見学活動を通じて、日本の大学、国立研究所および企業研究所における先端的な研究成果について学ぶと同時に、留学生や外国人研究者との交流を通して、日本での留学生活や研究生活に対する興味や理解を深めました。

同時に、京都市、奈良市と大阪市といった複数の日本の代表都市の見学ツアー、歴史文化施設見学、茶道体験など日本社会・文化の体験を通して、招へい者らの日中文化のつながりとその差異の理解を深めました。

本プログラムに参加した招へい者全員は、非常に有意義であったという感想と、さくらサイエンスプログラムに対する心よりの感謝のメッセージを得ることができました。また帰国後も、学生らから「再度訪日したい」「日本に留学したい」とのメッセージが届いていることから、本プログラムが非常に有意義であったと思われます。

最後に、京都大学の留学生劉子茂さんが本プログラムのために作成した詩をもって、このような機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」、その他の協力スタッフにここからお礼を申し上げます。

荆洛会
刘子茂
故都抱器擎衡鼎、楚塞藏璞泛彩霞。
十纪育贤腾太古、四旬合韵绕天涯。
慧兴文理弘日本、广纳周天耀中华。
学子莘莘重聚首、同侪济济再出发。