2018年度 活動レポート 第298号:東京農工大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第298号

先端機械加工分野における国際共同研究の体験プログラム

東京農工大学大学院工学府からの報告

2019年1月13日から22日の10日間、中国大連理工大学の大学院生9名と引率教員1名が、本学の「先端機械加工分野における国際共同研究の体験プログラム」参加のため、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、来日しました。本プログラムは、今後の日中両国、東京農工大学と大連理工大学の連携強化、両国の若い研究者交流の促進、先端機械加工分野における共同研究の推進、本学大学院博士後期課程への進学および学位取得に対する意欲の向上を目的としています。

10日間という短い時間の中、日中学生間の活発な交流と微細電気加工に関する研究と題した研究活動が行われました。

初日は、プログラムの目的や日程、生活上の注意事項、見学や実験時の安全事項を含め、オリエンテーションを行いました。2日目以降は特別講演会、研究発表とディカッション、研究室見学、加工実験などの活動が実施されました。

研究室見学

特別講演会では、外部有識者により、生産加工におけるシミュレーション技術の歴史、基礎、最新動向が紹介され、電気加工に関するシミュレーション事例が示されました。研究活動に関して、提案申請者より微細電気加工に関する共同研究の狙いと概要が説明され、質疑応答が行われました。

また、両研究グループの研究内容および成果の交流のため、日中の学生同士による研究発表会は開催され、積極的な質疑応答と活発なディスカッションが行われました。

研究発表会

特に、微細深穴の放電加工に関する研究において、本学からは高速ビデオ技術を利用した極間現象の直接観察および観察結果に基づいた分析が紹介され、大連理工大学からは気泡を考慮した数値モデルの構築や解析結果が説明され、共同研究の可能性と分担について意見交換が行われ、本学の実験設備を利用した微細深穴加工の実験が実施されました。なお、大連理工大学の学生は、本学の生産加工関連の研究室およびものづくり創造工学センターを見学し、最新の研究成果および最新動向を学びました。

共同研究実験体験

また、滞在期間中、大学近辺の東京都立小金井公園、また日本科学未来館、東京タワー、東京都庁の見学を行い、招へい学生らは日本の歴史と文化、科学技術の実際を体験しました。

日本化学未来館見学

帰国前日には、成果発表会が開催され、参加学生より滞在中の研究成果や学んだ知識、得た知見が発表され、さらに今後の共同研究の方向性や担当内容に関する意見交換が行われ、本プログラムをきっかけに今後の連携強化を確認しました。最後に招へい学生と教員および本学学生とで、懇親会を行いました。参加学生は、本プログラムの参加で、研究だけではなく、日本人学生との交流や日本文化の体験により、日本社会に対する理解および親近感が一層強くなったとの感想を述べていました。

最後に、貴重な機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」に厚くお礼を申し上げます。