2018年度 活動レポート 第295号:静岡大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第295号

核融合炉ブランケットシステムにおけるトリチウム回収と材料耐性評価

静岡大学からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、中国西南物理研究院及び四川大学から教員及び学生計11名を招へいし、2019年1月12日から19日まで「核融合炉ブランケットシステムにおけるトリチウム回収と材料耐性評価」をテーマに研修・研究交流を行いました。

本研修では、将来の核融合炉システムにおいて燃料となる放射性のトリチウム回収と核融合反応により生成した中性子等の高エネルギー粒子照射による材料損傷機構の理解を目的に行いました。

塩尻信義静岡大学理学部長とともに集合写真

静岡大学の研修ではトリチウム回収評価技術・材料評価技術についての研修を行いました。トリチウム回収評価技術では、トリチウムの計測法および中性子照射による材料への照射損傷との相関評価法に関する講義、材料評価技術ではX線光電子分光法に関する講義を行いました。講義の後には実際に学生が持参した試料を対象に評価分析を早速行い、データ解析まで体験することができました。

XPS分析結果の解析を行う受講生
重水素照射実験の様子

最後には結果についてみんなで結果討論を行いました。再来日して実験を続けたいという学生さんもいて、とても好評価でした。測定原理の基礎から講義した後に実際の分析を体験してもらい、さらに理解度があがったのではないかと思われます。

理解度を確認するために、講義・実習ごとにLecture Reportを作成してもらい、理解度や疑問点のフォローアップに活用しました。研修の後半には北海道大学大学院工学研究院橋本直幸教授を訪問し、材料評価技術についての講義を受講するとともに研究室を見学させていただきました。大型の透過電子顕微鏡を見学し、受講生の目がとても輝いていました。

北海道大学橋本教授の講義受講の様子

今回の研修は8日間ととても短くタイトなスケジュールでしたが、祝日だった14日の午後に静岡の歴史見学ツアーを行い、駿府城公園を見学し、徳川家康公像や昔の駿府の町並みの図を見学し、日本の歴史の一端を学習しました。

駿府城公園にて静岡歴史ツアー!

非常に短い滞在期間でしたが、中身の濃い(慌ただしい?)研修を行うことができました。日本の先端技術の一端を体験していただくことができたのではないかと思います。ぜひ、次回は多くの試料をもって長期滞在の共同研究に来ていただきたいと思っています。再来日を実施教員一同心からお待ちしています!