2018年度活動レポート(一般公募コース)第280号
薄膜太陽電池の振興に資する技術検討及び科学技術教育
島根大学からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受け、中華人民共和国寧夏大学太陽光発電材料重点実験室から教員2名、大学院生8名を招き、「薄膜太陽電池の振興に資する技術検討及び科学技術教育」というテーマで研究交流を行いました。受け入れ期間は、2018年11月11日から11月20日までで、その間に、寧夏大学と島根大学の教員及び学生が一堂に会して科学技術体験を行うことにより、日中の学生及び教員間の研究・文化交流を進めました。
11月12日には、受け入れ責任者の水野斎をはじめ、島根大学・寧夏大学国際共同研究所メンバーや島根大学の国際交流課で寧夏大学太陽光発電材料重点実験室のメンバーを出迎え、ウェルカムパーティーを開催しました。
本プログラムでは、島根大学の大学院生の協力のもと、有機薄膜太陽電池の作製とその評価を行いました。両大学の教員はサポート役となり、島根大学と寧夏大学で行っている作製プロセスの違いを学生達で話し合いながら実験を進めていきました。基板サイズ、基板の洗浄方法や成膜方法を変更した結果、膜の状態が変化することで太陽電池の光起電力特性が改善されることがわかりました。実験の翌日には、学生達に作製した太陽電池の光電変換特性についての報告を課し、プレゼンテーション力を向上させることにも配慮しました。
滞在期間中には、日中国際学術セミナーも開催し、両大学の教員と学生が英語で研究発表を行いました。学生達にとっては、初めての英語によるプレゼンテーションでしたが、良く準備をしてきており、質疑応答も頑張っていました。今後の国際会議での発表での予行練習にもなったと思われます。
自然エネルギー関連施設の視察では、とっとり自然環境館を訪れ、山陰地域の自然エネルギーの現状や太陽光発電に関するDVD鑑賞とソフトバンクとっとり米子ソーラーパークの見学を行い、自然エネルギーについての理解を深めました。
18日には、松江城と由志園を訪れ、松江の歴史や文化に触れ、共に楽しい時間を過ごしました。
19日には、倉敷美観地区を訪れ、倉敷川周辺を散策し、白壁の町並みや自然観察を楽しみました。その後は、修了式を行い、参加者一人一人に本プログラムの感想を話してもらい、修了証を手渡しました。
本プログラムに参加した学生達は、日本で太陽電池の実験ができたことに対する喜びを表すとともに、日本での生活を体験し、歴史や文化の理解が深まったことに対して大変有意義な時間であったと感想を述べていました。倉敷市で日本での最後の夜を過ごした後、20日には、参加者は帰国の途に着きました。
最後に、今回、日中の国際交流活動の機会を与えていただいた、さくらサイエンスプログラムに厚く御礼申し上げます。