2018年度 活動レポート 第278号:岡山大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第278号

有機機能性材料の開発に関する共同研究に向けて

岡山大学からの報告

本プログラムでは、平成31年1月16から22日までの7日間、中国の西安交通大学の教員3名、大学院生3名および学部学生4名を岡山大学理学部へ招へいしました。同テーマの共同セミナーを開催することにより、将来、当該分野で世界的に活躍できる人材の育成し、また、岡山大学の特色ある研究を実際に体験することで、岡山大学大学院自然科学研究科の博士前期課程および後期課程の大学院生として入学してもらうことを目的としました。

紹介講演

到着後、2日目の午前、会議室で各々の大学、大学院、研究所の紹介をするための講演をそれぞれの教員が英語で行いました。

キャンパス内訪問

岡山大学津島キャンパス内、岡山大学理学部建物内を見学した後に、関係者全員で記念写真を撮りました。

 

留学についてのフリーディスカッション

予定より少し時間が余ったので、全員で会議室に移動し、留学についてのフリーディスカッションを行いました。中国人学生、特に学部生からは留学に必要な財政的支援や学位を取得するための条件などについての質問が多く出されました。

研究室見学

岡山大学異分野基礎科学研究所の沈 教授の研究室を見学しました。本プログラムに参画した招へい者は、全員英語でのコミュニケーション能力に長けていたため、専門的な内容にも理解を示し、活発に説明を聞き入っていました。

研究室見学の様子

岡山県内の企業の研究施設見学

岡山県倉敷市にある「萩原工業株式会社」を訪問し、ブルーシートの製造過程について、簡単な説明を会議室で聞いた後、実際に工場内に入って施設を見学しました。企業側の担当者の方が、「こんなに熱心に質問を受けたのは初めてです。」と驚くほど、参加者からは次々と活発に質問が出ていました。

企業の施設内の設備を熱心に見学する参加者たち

文化体験

(平和記念公園・原爆資料館)

文化体験として広島市の平和記念講演を訪問し、原爆資料館を見学しました。展示物や歴史的な経緯に関する説明を受け、参加者は、平和の大切さをさらに実感しているようでした。

(宮島訪問)

その後、広島県は廿日市市の宮島を訪問しました。特に教員たちが興味を持ったのは、厳島神社が建立された時期やその当時の日本の様子でした。一方、学生たちは、日本の食文化に興味を抱いたようで、中国では滅多に食すことができない生ガキを興味深そうに堪能していました。

 

共同セミナー

博士後期課程の大学院生(中国側:2名、日本側4名)が現在行っている、有機材料科学の研究に関して発表を行う共同セミナーを実施しました。加えて聴衆が発表学生に対して質問し、研究の内容について活発に討論しました。

実験

有機合成化学、特に、有機合成反応開発および有機機能性材料の開発に関わる実験として、2010年のノーベル化学賞の受賞対象となった「クロスカップリング反応」を行いました。7名の学生を3つの班に分け、実験の手順だけを英語で記した紙を各人に配布し、薬品を測り取るところから、生成物の精製まで全て何の助言を受けることもなく実行できました。3つの班のうち、最も収率および純度が高かった班を発表し称えました。

クロスカップリング実験を行う学生たち

「本プログラムで招へいした学部学生や大学院生は、将来、国外の大学院へ進学する可能性が高い。岡山大学の博士後期課程の学生として、是非戻って来てほしい」という、理学部長の閉会の辞で本プログラムが成功裏に終了しました。