2018年度活動レポート(一般公募コース)第277号
化学・材料分野における研究討論および先端技術学習
明治大学理工学部からの報告
明治大学理工学部では、平成30年10月28日から11月3日まで7日間にわたり、タイ・チュラロンコン大学(以下、CU)より引率教員2名と大学院生8名をさくらサイエンスプログラムにより招へいし、科学技術研修および研究交流会を実施しました。
本学とCUは平成21年度に協定を締結して以来、大学間交流を継続し、緊密な関係を保持しています。本交流では、理工学部応用化学科の渡邉友亮教授を実施主担当者として、研究交流ワークショップの開催と、日本の先端科学技術研修を行いました。また、理工学部全体から有志の学生ボランティアを募集いたしました。その結果、20名の学生ボランティアが参加し、学生間交流が一層盛んに行われた他、ワークショップや施設見学会を円滑に運営することが出来ました。
具体的なプログラム内容として、初日はCU学生・教員と実施主担当者および協力者でミーティングを行い、研修内容の説明を行いました。2日目には、研究交流ワークショップを開催し、CUおよび本学学生の口頭発表と、CU引率教員および本学若手教員の口頭発表がありました。CU学生・教員と本学学生・教員は英語で活発にディスカッションを行いました。また、本学の黒川農場を視察した他、ボランティア学生が主体となって学生交流会や懇親会も開かれ、学生間の親睦を深めることが出来ました。3日目には、CU学生・教員が理工学部応用化学科の各研究室を見学した他、本学応用化学科3年生の講義である応用化学実験に体験参加をしました。
4日目には、茨城県東海村にある原子力発電施設を見学しました。東海テラパークを訪問し、施設職員の方から原子力発電所の概要や、原子炉およびその周辺設備の技術的内容について詳しく説明して頂くとともに、実物大の燃料棒や、実際原発で使われていたタービンを見ることが出来ました。さらに、稼働申請中の東海第二原発を見学しました。また、6日目には、那須塩原にあるJ-POWER電源開発株式会社の沼原発電所を見学しました。まず、森の発電お話館において、揚水と発電のメカニズムや電力供給システムについての説明を受けました。その後、地下の発電施設に移動し、実際に巨大な発電機(水車)のタービンが高速回転する様子を見学しました。これにより、日本のさまざまな発電技術について関心を高めてもらいました。
5日目には、国立研究開発法人物質・材料研究機構(つくば、並木地区)を見学しました。国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)准主任研究者の荏原充宏先生の研究室を訪問し、研究室所属の学生からスマートポリマーについての説明を受けました。また、同じくMANA独立研究員の中西尚志先生からは、機能性有機ソフトマテリアルの最新研究について、説明頂きました。この見学会により、日本の最新研究を知るとともに、興味を深めてもらうことができました。
本交流によりCUと本学の研究交流がより一層深まりました。CU学生・教員にとっては日本の実際の発電技術や最新研究を知る良い機会となりました。また、本学学生にとっては、英語を使用して日本の技術や研究について説明することで、CUの同世代の学生と親睦を深めただけでなく、国際的な研究者としての素養を育むことができた貴重な機会となりました。