2018年度活動レポート(一般公募コース)第273号
バイオマスの高度利用技術に関する日中共同研究
弘前大学国際連携本部からの報告
弘前大学地域戦略研究所では、さくらサイエンスプログラムのB.共同研究活動コースとして、平成30年12月9日(日)から平成30年12月23日(日)までの15日間、弘前大学協定校である中国・太原理工大学大学院生4名及び大連理工大学から大学院生2名の計6名の優秀な学生を招き、バイオマスの高度利用技術に関する共同研究を実施いたしました。
1日目は、大雪の中に青森に到着した後青森空港にてオリエンテーションを実施し、厳しい北日本の冬を体感しました。2日目は、地域戦略研究所長のご歓迎挨拶後、研究所ツアーのほか、研究所所属の学生との交流会を行い、冬期間再生可能エネルギー特にバイオマスエネルギーの利用課題などを深く議論しました。
3日目は、官国清教授によるバイオマスの高度利用技術及びバイオマスエネルギーに関する特別講義を聴講したほか、フロンティア・ラボ株式会社渡辺忠一社長によるパイロライザー開発歴史に関する特別講演も聴講しました。4日目には、本学佐藤敬学長を表敬訪問し、本学文京町キャンパスのキャンパスツアーと理工学研究科の研究室見学を行いました。
5日目から地域戦略研究所のエネルギー変換工学研究室でバイオマスから高付加価値化学品・材料・燃料への変換に関する共同研究を行いました。本学の先生と学生らとの共同研究を通して、バイオマス全成分転換の歩留り最大化によりバイオマス全量利用の付加価値最大化を目的として、バイオマスから高付加価値化学品・機能材料・エネルギーのコプロダクションの可能性を探りました。
その間、青森市文化観光交流施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」での青森ねぶた観賞、縄文時代前期~中期の遺跡で日本最大級の規模を誇る「三内丸山遺跡」見学など、青森県に特有の文化を体験しました。また、共同研究の最終日には地域戦略研究所の教職員、学生及びご家族とは盛大な懇親会パーティーを開催し、本学教員、学生らとの交流を深めました。その後、本田明弘所長から学生1人1人に修了証が授与されました。
弘前大学の両協定校から来日した大学院生からは、「日本の技術が素晴らしい。」「日本の研究環境はとてもいい。」「日本の研究者の熱意と真剣かつ厳格な仕事態度は深く感銘を与えました。」「日本の文化が好きになった。」「このプログラムに参加して自分の視野が広がった。」「日本が好きになった。また留学生として日本に来たい。」という言葉が聞こえてきました。今回の本学地域戦略研究所での学生受入プログラムが、未来の新エネルギー研究者の育成に寄与するとともに、次世代の国境を越えた共同研究へとつながっていくことを祈ります。最後に交流の機会を与えてくださった、さくらサイエンスプログラムと交流の実施にあたりご支援くださった関係者各位に心より感謝申し上げます。