2018年度活動レポート(一般公募コース)第271号
ソフトロボットのための高分子ゲルアクチュエータ研究
国立研究開発法人産業技術総合研究所
無機機能材料研究部門ハイブリッドアクチュエータグループからの報告
さくらサイエンスプログラムにより、中国、西安交通大学機械工学科から、大学院生5名、教員1名を招いて、2018年11月24日~12月14日の21日間、共同研究活動コース「ソフトロボットのための高分子ゲルアクチュエータ研究」を実施いたしました。本共同研究テーマは、産業技術総合研究所で研究を進めている「高分子ゲルアクチュエータ」の研究テーマについて、将来の本格的な共同研究を目的として、この分野ですでに研究を進めている西安交通大学の大学院生および教員と短期の共同研究を行なうというものです。
初日は、自己紹介、研究室見学、安全教育、IDカードの発行などの共同研究活動を進めるための手続きを進め、近くの和食屋で歓迎会を行いました。
2日目の午前は、共同研究内容の打ち合わせを行い、午後から、それぞれ大きく3個のテーマに分かれて、共同研究を開始しました。研究内容は、高分子誘電ゲルアクチュエータの新しいデザインの研究が2名、イオンゲルセンサーの新しい材料研究および新しいデザイン研究がそれぞれ1名、高分子ゲルアクチュエータの新しい駆動方法の研究が1名で、それぞれの研究に産総研の研究者が1名ずつ、および、西安交通大の教官と協力して合計4名で指導する形で、3週間の研究活動を行いました。
また、週の初めには、研究の進捗、あるいは計画を検討するミーティングを全体でおこないながら、研究を進めていきました。研究を行なうだけでなく、12月4日には産総研産学官連携部門の協力により、産総研関西センターの見学会を行い、産総研関西センターの研究アクティビティーについて見学を行いました。
また、12月6日には、名古屋大学工学部の高分子ゲルアクチュエータの研究を行なっている、高木賢太郎先生の研究室を全員で訪問し、研究セミナー、および、研究室見学を行いました。
12月11日には、和歌山大学の菊地邦友先生をおよびして、高分子ゲルアクチュエータに関してのセミナーを行いました。
さらに、12月12日には、計測自動制御学会ソフトマテリアル部門のソフトロボットに関する講演会が関西センターで開催され、それに希望者が参加いたしました。休日には日本の文化や伝統に触れてもらうために、京都視察を産総研職員同伴のもとに行いました。
帰国前の12月13日には、まとめのセミナーを行い、5名の大学院生に3週間の研究成果について発表いただきました。いずれも短い間とは思えない非常に素晴らしい成果の報告があり、今後もさらに連携して研究を進めていくことを確認いたしました。
最後になりましたが、このような機会を与えていただきましたさくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。