2018年度 活動レポート 第269号:富山県

2018年度活動レポート(一般公募コース)第269号

医薬品分野を中心とした、産学官連携によるインド・アンドラプラデシュ州との交流促進

富山県総合政策局国際課からの報告

1.概要

平成30年11月25日(日)~12月1日(土)の7日間、富山県と協力・交流に関する覚書を締結しているインド・アンドラプラデシュ州にあるアンドラ大学とアチャラ・ナガージュナ大学から、14名の学生と2名の教員が富山県に来県し、富山大学での講義や実習、研究室見学、県内企業の訪問などのプログラムに参加しました。学生たちは、薬学や生命工学などを専攻している学部生と大学院生で、大学から各学部・学科における成績優秀者として選抜され、来日しました。

2.プログラムの内容

<11月26日(月)>

午前中は富山県庁で総合政策局長に表敬訪問し、午後は富山県薬事総合研究開発センターを訪問し、製剤開発や創薬研究の支援を行うラボを視察しました。学生たちは、最新の設備に大変興味を持った様子で、担当者に多くの質問をしていました。

写真1
富山県薬事総合研究開発センターのラボ視察

<11月27日(火)>

午前中は富山県の製薬会社を訪問し、会社説明を受けた後、工場の製造設備や物流システムを視察しました。午後は富山県を代表する鋳物メーカーである(株)能作を訪問し、工場見学と鋳物製作体験を行いました。

写真2
(株)能作での鋳物製作体験

<11月28日(水)>

午前中は「薬種商の館 金岡邸」を訪問し、300年の歴史をもつ富山の売薬業について学習しました。午後は富山大学薬学部(杉谷キャンパス)の研究室を訪問し、教授や大学院生の協力のもと、薬物生理学や製剤設計学の実習を行いました。

写真3
富山大学薬学部での実習の様子

<11月29日(木)>

午前中は前日の午後に引き続いて富山大学薬学部を訪問し、まず同大学の薬学系の大学院の説明を受けました。その後、2人の教授から、神経関係と消化管関係の講義を受けました。午後は、富山大学工学部(五福キャンパス)を訪問しました。まず、生命工学コースの7名の教員から、それぞれの研究内容についての講義を受けました。その後、同コースの3つの研究室を巡るツアーを実施しました。

写真4
富山大学工学部での講義の様子

夜は大学生協で懇親会を実施しました。双方の学生と教授ら総勢約60名が参加し、親睦を深めました。インドの舞踏や歌唱などのパフォーマンスも行われました。

写真5
懇親会での記念撮影

<11月30日(金)>

富山県を代表する観光地である立山を視察しました。学生らは生まれて初めて見る雪に大変感激していた様子でした。

3.来日した学生からの感想

  • 将来富山県に留学するために、100%の全力を尽くしたい。
  • 洗練された研究室を訪問できたことは、大変素晴らしく、色々考えさせられる経験であった。
  • 富山大学の生命工学の研究室の学生と交流し、彼らが卓越した研究を行っていて、英語を上手に話せることが分かった。将来ここで研究する機会がほしい。

4.今後の展望等

参加した多数の学生から、富山県で留学や就職をしたいという感想をいただくことができ、将来における本県への留学や就職の機運醸成という本プログラムの目的は充分に達成できたと考えています。

昨年度のさくらサイエンスプログラムで来県し、現在は富山大学に県費留学生として在学している学生が、今回のプログラムに積極的に関与して、先輩として学生たちに色々なアドバイスをしてくれたことにより、日本での留学生活に関し具体的なイメージを持つことができたことが今回の成果達成の大きな要因と考えられます。

本県は、平成32年度に、アンドラプラデシュ州から2人目となる県費留学生の募集及び受入れを行う予定であり、引き続き、同州からの優秀な人材の受入れに努めてまいりたいと考えています。