2018年度 活動レポート 第265号:東京都市大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)

協働作業を通じた課題解決法の会得
-情報科学科の正規教育プログラムを通じて-

東京都市大学からの報告

タイ・モンクット王工科大学トンブリー(KMUTT)の学部3年生と4年生の10名が東京都市大学知識工学部情報科学科の5研究室に分かれ情報科学科の正規教育プログラム「情報科学演習」の中の一つのコースを体験しました。KMUTTとは5年連続のさくらサイエンスプログラムによる交流であり、「科学技術体験コース」で、2018年12月16日〜12月23日の8日間、情報科学科の5研究室で課題解決に取り組んでもらいました。

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研究室にて1

本年度は招へい学生10名を2名ずつの5組に分けて情報科学科の5研究室に配属しました。予め10名の学生のバックグランド情報を提供してもらうことで研究室の配属も適切に行われました。それぞれの研究室では本学の3年次における「情報科学演習」の1コースを担当しています。1コースには2名のTA(大学院生)が指導補助にあたっていて、その2名もしくはその中の1名の大学院生が招へい学生のサポートにあたってくれました。各コースは基本的なメニューは揃えているものの、必ずしも解答が1つではなく、学生に課題解解決を図ってもらう内容となっています。

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研究室にて2

例えば、画像処理を扱うコースではPC、画像処理の課題が書かれた説明プリント、今回の処理の理論的説明が成された専門書(洋書)のみが与えられます。出された課題に対して学生は主に説明プリントを見ながらPCでプログラムを作成します。画像の雑音除去のためのフィルタ処理においては、フィルタ設計が課題に含まれていて、その設計を行うために、専門書でその原理を勉強し、PCで試行錯誤を交えながら、最終的に適切なフィルタ係数を得ることができました。その過程を通じて、招へい学生はフィルタの原理と設計手続きを会得することができました。本年度はプログラムの期間が8日間と例年よりも1〜2日間短かったのですが、2名で課題解決に取り組むことで、原理に対する学習がスムーズに成され、かつ、多くの試行を行えることができ、短時間であっても高い成果を上げることができました。

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研究室にて3

最終的には口頭発表の成果報告会を実施し、研究成果を披露してもらいました。成果発表会には本学の国際センターの教員(外国人教員を含む)、情報科学科の教員、さらには、本プログラムで関わった大学院生が参加し、十分な質疑応答が成されました。成果報告会後には修了式が執り行われ、無事にプログラムが終了しました。

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修了式を終えて

KMUTTとは大学間で包括的な交流協定を締結しています。このさくらサイエンスプログラムで両校の交流関係を深めることができ、昨年からはKMUTT主催のシンポジウムへ本学の学生が招待されるようになりました。さくらサイエンスプログラムは来年度以降も両校の交流の柱の1つとして継続していく所存です。

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フェアウェルパーティーにて