2018年度活動レポート(一般公募コース)第256号
高効率エネルギー変換に向けたナノ材料技術の研修
名古屋工業大学からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受け、名古屋工業大学は平成30年11月22日から11月29日まで、マレーシアのマラ工科大学から研究者2名と大学院生5名を招へいしました。マラ工科大学は本学と学術交流協定を締結し、また海外事務所が設置されている大学でこれまでも交流が活発に行われており、さくらサイエンスプログラムによる招へいは今回が2度目になります。今回は高効率エネルギー変換に向けたナノ材料技術についてのテーマで、実験、講義、関連の施設見学、研究発表を行いました。なお、招へい期間中、本学にマラ工科大学のMohamad Rusop教授が滞在しており、行事をスムーズに進めることができました。
実験は本学の大学院生が中心となって行われ、招へい研究者に対して英語で実験内容の説明や装置の使い方等を説明し、共同で実験を行いました。無塵衣を着用し、クリーンルーム内で、ナノシリコン、ナノカーボン、有機半導体等ナノ材料の成膜技術、太陽電池等のデバイス化技術を体験し、グローブボックスの使い方の訓練も受けました。また、ラマン散乱等のナノ材料の光学的評価技術や電気的特性評価技術についても学びました。
招へい期間中に行われた曽我・岸・加藤研究室のゼミにも参加して本学大学院生の研究発表を聴講し、研究室内では和気あいあいと日本人学生との交流を深めました。
施設見学では、京セラファインセラミック館でファインセラミックスの技術の進歩を、島津製作所創業記念資料館では材料分析の進展を、名古屋市科学館では科学全般について学びました。また、名古屋サイエンスパークの中にあるベンチャー企業シーズテクノ株式会社を視察し、梅野正義取締役からマイクロ波表面波プラズマCVDを用いたグラフェン成膜技術とグラフェン評価装置について説明を受けました。また、ナノ材料を用いたエネルギー変換デバイスの一つとして、曽我哲夫教授からナノ構造太陽電池技術と太陽電池の利用技術について日本人学生と一緒に講義を受けました。
最終日は招へい研究者全員が現在行っているナノ材料やナノデバイスの研究についてプレゼンを行い、本学教員や大学院生と研究内容の理解を深めました。また、本学大学院生やマラ工科大学と以前から関係が深い学外者も参加して懇親会を開催し、マレーシアについてざっくばらんな話ができました。最後に曽我哲夫教授から招へい研究者全員に修了書が手渡されましたが、今回の日本滞在期間は8日間と非常に短く、全員再度日本を訪問したい希望を持っているようでした。
このような機会を提供して頂いたさくらサイエンスプログラムの関係者の皆様に感謝申し上げます。