2018年度 活動レポート 第253号:九州工業大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)

バングラデシュの若者がデザイン思考を用いた問題解決方法を学ぶ

九州工業大学

九州工業大学大学院情報工学研究院では、バングラデシュの3つの機関(ラジシャヒ大学、ダッカ大学、シャンダニ看護学校)からの学生と引率者の合計11名を受け入れるプログラムを実施しました。2018年11月6日~14日という晩秋のとても過ごしやすい九州を満喫いただきました。

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歓迎会の様子

九州工業大学でのプログラムは「発展途上国における諸問題の解決方法を、デザイン思考を用いて探る」というものでした。たとえば日本の先進医療をそのまま持ち込んでもバングラデシュの医療問題は解決できません。デザイン思考では「共感」「定義」「アイディア」「プロトタイプ」「テスト」という思考過程を通じて、人間中心の解決方法をイノベーティブに考案します。

今回はSkypeを使って事前に2回、グループディスカッションを行なうことを試み、成功しました。3つのグループに分けて、日本人学生とSkypeでつなぎ、予めどのような問題を日本で議論するのかを打ち合わせしておきました。このおかげで、来日したときに日本人学生とはすでに知り合っておりスムーズにプログラムを実施することができました。

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グループワークの様子

福岡県の中でも大規模病院である飯塚病院を見学に行き、スタッフと一緒に日本とバングラデシュの医療問題について意見交換を行ないました。そして工学的なアプローチから問題解決をするという視点を養いました。また、大学のある飯塚市の立岩小学校に半日ほど見学に行き、小学生たちと交流を行ないました。日本の科学技術の基礎教育である算数や理科が小学校でどのように教えられているのかを、バングラデシュからの学生は知ることができました。さらに九州大学のアシル准教授らの講演を聴きワークショップを行なうことで、ソーシャルビジネスやポータブルクリニックケアについて学ぶ事ができました。

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飯塚病院見学の様子

今回は、「病院」「市場」「小学校」での問題を取り上げ、デザイン思考を使って解決策を考えました。実際にバングラデシュに戻ったときに、小さな事でも構わないので改善を実施してもらえるように願っています。

引き続き、バングラデシュ学生の受入プログラムを実施して、日本とバングラデシュの将来を担う優れた若者たちと交流を行ない、アジアの発展に尽くします。

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研究室見学の様子