2018年度活動レポート(一般公募コース)第248号
台湾の大学院生が、工学複数分野における最先端科学技術を体験
工学院大学からの報告
工学院大学では、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2018年10月30日から11月6日までの8日間にわたって、南台科技大学工学部の学生と教員を本学へ招へいし、最先端な研究や技術に触れる国際交流プログラムを実施しました。
本プログラムでは、本学の研究室・実験施設の見学をはじめ、レクチャーやディスカッション、フィールドワーク、本学学生との交流、科学技術施設見学などを実施しました。
10月30日、南台科技大学の一行は、成田空港に到着し、翌日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、産業技術総合研究所(AIST)を見学しました。JAXAでは、筑波宇宙センターの紹介、展示館「スペースドーム」の見学、さらには、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟の「きぼう」の運用管制室を見学しました。またAISTでは、AISTの歴史やAISTから生まれた製品や今後生まれると期待される製品についての説明を受け、日本の持つ高い技術力に触れてもらいました。
11月1日より3日間にわたり、本学の大学説明、大学施設見学を行いました。今回は、機械工学、情報工学、化学、電気電子工学を専門とする大学院生が各2名ずつ選抜され来日しましたので、その専門に対応する本学の先進工学部、工学部、情報学部の研究室訪問を全員で行いました。各学部の研究室、実験室をめぐり、自身の研究分野に関連する教員・学生とのディスカッションだけでなく、別分野の研究室や実験室も体験してもらうことで、広く興味を持ってもらうことができたようです。
また、お互いの研究を紹介するために、ポスター発表をしました。両大学の学生共に、研究分野に興味をもち、熱心に耳をかたむけ、また積極的な質問も飛び交いました。お互いに研究分野を通じて、交流ができたことは、双方の学生にとってとても貴重な体験となりました。
11月5日には、日本科学未来館、デジタルアートミュージアムへ行き、日本の最先端の科学に触れることができました。学生の受けた強いインパクトが、両施設を見学した後のディスカッションで伝わってきたことが非常に印象的でした。
11月6日に、本学新宿校舎の研究室を訪問し、都市型の研究室を体験してもらいました。また、修了式を行い、さくらサイエンスの修了書を本学副学長より授与され、その後成田空港より帰国しました。
本プログラムを通して、招へいした南台科技大学の学生の学びはもちろんのこと、本学でプログラムを支えた学生たちにも大きな変化があり、大きな成長が感じられました。短い期間の交流でしたが、異なる国での生活や文化について、お互いに強い興味と良い印象を持ちはじめたことは言うまでもありません。本学でサポートした学生たちも南台科技大学の学生の学問に向かう姿勢など学ぶことも多く、また、日が進むにつれて、積極的に進んで支援を行うようになってきたことや、異文化への興味を持ち始めたことなどは、大きな変化であったと思います。
サポートした学生たちは、数年のうちに、台湾への学術交流での渡航を希望しており、また、招へいした学生達も同様に、本学への学術交流での再来日を希望しています。このように、この交流を通じて、協定校である南台科技大学との結びつきがより一層強くなっていったことは、言うまでもなく、今後の具体的な学生交流や、教員同士の研究交流のきっかけの一つともなりました。
最後になりましたが、両国の絆の深化に僅かながらでも教育を通して寄与できるチャンスをくださった、さくらサイエンスプログラムに感謝申し上げます。