2018年度活動レポート(一般公募コース)第234号
グリーンアジア実現のための最先端理工学のアジア共同研究プログラム
九州大学大学院総合理工学研究院
アジアの5大学(中国 四川大学、韓国 国民大学、台湾 成功大学、マレーシア マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 MJIIT、インドネシア セレバスマレット大学)から教員、大学院生、学部生計10名を九州大学筑紫キャンパスに2018年10月15日から10日間お招きしました。10人は来日後、まず、本学府が主催する国際会議IEICES 2018に参加し、口頭発表やポスター発表を行いました。
この会議終了後は、4グループに分かれてホスト研究室での研究交流を行いました。台湾成功大学の3人は先進宇宙ロケット工学研究室を訪問し、ホスト教員の山本直嗣教授や九州大学の学生と協力して様々なプラズマ計測を行いました。また、台湾成功大学で開発中のVacuum Arc thrusterを一式九大に持参し、九大の宇宙環境模擬装置にて実験を行いました。両国の学生は計測装置の比較およびその物理的考察を議論しました。
国民大学の2人は、張教授の研究室で、ガスタービン用の高温耐熱コーティング材、グラフェン複合材料についてSEM観察により微細構造の分析を行うなど共同研究のための実験を集中して行う事ができました。また、今後の研究方針などについて打ち合わせを行いました。
四川大学のWang教授と大学院生のZhaoさんの2名は、熱エネルギー変換システム学研究室において、太陽集熱システムや熱エネルギー有効利用技術に関して実験設備の見学及びホスト教員を宮崎隆彦教授の指導の元で実験技術習得のための演習を行ないました。活動期間中には別途招へいした同じ四川大学のJing教授も加わり共同研究の可能性についてディスカッションを行いました。
マレーシアMJIIT及びインドネシアセレバスマレット大学から訪問した3人はグリーンアジア環境学研究室で熱帯の新興国の住環境や人々の省エネや快適性などに関する研究についての情報交換を行いました。このホスト研究室では日本人学生だけでなくインド、モンゴル、中国、インドネシアからの留学生が、母国の住宅や建築全般の省エネルギーや室内環境の快適性などの問題を研究テーマとして学んでいますので、研究室のメンバー全員が参加するセミナーにより、それぞれの国・地域の様々な手法による研究の成果を互いに発表し、議論を行いました。各国の歴史や文化、気候風土に応じて、建築の省エネルギーや室内環境の問題は多様ですが、一方で、新興国や発展途上国特有の事象・問題の中には多くの共通点がある事を改めて確認しました。
滞在期間の後半には、九大伊都キャンパスの省エネルギー空調技術の実験装置や燃料電池複合発電システム、燃料電池自動車などの見学を行いました。
滞在期間の最終日には、招へい者全員とホスト研究室や関係する研究分野の教員が参加するセミナーを実施し、互いにホスト研究室訪問の活動内容や成果を発表しました。