2018年度 活動レポート 第221号:静岡県

2018年度活動レポート(一般公募コース)第221号

モンゴルの高校生が静岡県で「健康長寿」の最新研究を学ぶ

静岡県からの報告

静岡県では、モンゴル教育・文化・科学・スポーツ省の協力を得て、モンゴル全土から選抜された高校生8名、引率1名を招へいしました。同省とは、平成27年8月に交流に関する覚書を調印し、教育・文化・科学分野における人的交流を推進しています。

今回の招へい目的は、本県の特徴の1つである「健康長寿」をはじめ、「健康」、「医療」分野に係る最新の研究や技術、取組みを学んでいただくことでした。本県は、地域の資源と特徴ある産業基盤を活かし、県東部「ファルマバレー(医療・健康関連産業)」、中部「フーズサイエンスヒルズ(食品関連産業)」、西部「フォトンバレー(光・電子技術関連産業)」の3つの産業集積プロジェクトを推進しています。これらのプロジェクトは、各地域の知の拠点である大学や研究機関、企業、そして行政が連携して研究に取り組んでおり、こうした本県の優れた研究を多く学べるようなプログラムにしました。

実施2日目には、順天堂大学保健看護学部を訪れ、看護実習施設の見学や授業体験を行い、お昼は学生達と交流しながら昼食をとりました。午後は静岡がんセンターを訪れ、最先端の医療機器の紹介を受け、手術支援ロボット「ダヴィンチ」のシミュレーター体験を行いました。

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順天堂大学にて看護体験中

3日目は、国立遺伝学研究所、静岡県立大学を訪れました。国立遺伝学研究所では、バイオリソースについて学び、実際に「ゼブラフィッシュ」という魚を用いて研究を行っている研究室を見学しました。遺伝学の無限の可能性について知ることができ、将来遺伝学を学びたいという高校生もいるほど、心惹かれていました。静岡県立大学では、災害時の医薬品供給支援等に活躍が期待される在宅医療移動研修車(モバイルファーマシー)を見学し、災害時の活用方法について学びました。

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遺伝研究所の研究室見学でゼブラフィッシュの説明を受ける様子

週末にかけては、全国初の地球環境史の博物館「ふじのくに地球環境史ミュージアム」を訪れ、現在ある美しい自然を守り、持続可能な社会を実現するためにはどうしたらよいか考えました。そのほかにも、久能山東照宮や富士山世界遺産センターなどを訪れ、静岡の歴史や文化、自然を学びました。

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地球環境史ミュージアムにて説明を受ける様子

6日目は、静岡大学工学部を訪問しました。静岡大学では、3つの研究室を訪問し、電子顕微鏡技術を用いたナノレベルでの加工技術等の最新の研究を学びました。

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静岡大学での研究室訪問

7日目は浜松医科大学を訪問しました。同大学と浜松地域の企業の産学連携により開発した、立体内視鏡を始めとする最新の医療機器を、実際に手に取り体験しました。全員、興味深そうに機器を操作していましたが、特に将来医師になることを視野に入れている高校生は、目を輝かせながら、積極的に説明に聞き入っていました。

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浜松医科大学にて手術用機器体験をする様子

今回のプログラムを通して、「将来留学生として日本に来たい」、「将来の専攻を選ぶことができた」などの感想が聞くことができ、モンゴル高校生の科学技術分野への興味関心を深められ、更に、日本への留学意識を高められたと思います。今後も、モンゴルとの更なる交流を促進します。