2018年度 活動レポート 第215号:九州大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第215号

アジア諸国の若手研究者が日本の医療イノベーションを学ぶ

九州大学からの報告

九州大学病院ARO次世代医療センター/九州大学先端融合医療創成センターでは、医療分野においてアジア地域の優秀な人材の育成に寄与するとともに国際連携拠点構築を目的として、我が国との国際連携を志す、タイ・モンゴル・台湾・インドネシア・シンガポール・マレーシアの若手研究者6名を国際公募し、医療イノベーションを推進する国内のアカデミア、企業、機関とのジョイントセッションを2018年9月9日~16日(8日間)実施しました。

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新日本科学にて

招へい者には事前に、今回ジョイントセッションを実施する企業等に関するレポートを提出していただき、限られた訪問時間で有意義なディスカッションを行うための準備をしてから来日していただきました。

プログラム初日は九州大学にて開会式を行い、招へい者による研究紹介、当プログラム参加の抱負を発表していただきました。

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九州大学にて Kick offミーティングにてself-introduction

その後、6日間で以下においてジョイントセッションを実施しました(実施順)。

  • 国立大学法人 九州大学
    1. 1)臨床及び橋渡し研究拠点としての九州大学のミッション説明
    2. 2)細胞調製室(GMP準拠施設)
    3. 3)アジア遠隔医療開発センター
    4. 4)内視鏡外科手術室
  • 沢井製薬株式会社 九州工場
  • 株式会社新日本科学 安全性研究所
  • ノーベルファーマ株式会社
  • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
  • 株式会社セルシード
  • エーザイ株式会社
  • 株式会社ツムラ 漢方記念館
  • 参天製薬株式会社 能登工場
  • 九州大学における報告会と総合的なディスカッション、研究室見学

今回の事業では特に、医療用医薬品の開発-製造・販売における基礎研究、非臨床試験、臨床研究、医療現場、さらに開発を支えるファンディングについて、現場に従事する方とのディスカッションにより理解を深めていただきました。

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AMEDにて ディスカッション

基礎研究に関しては、普段公開されない各製薬会社におけるR&Dシステムの紹介、開発中の医薬品に関する研究内容の紹介をしていただき、招へい者との活発なディスカッションが行われました。さらに非臨床試験/臨床試験に関しては、求められるデータのクオリティ、試験の管理体制、動物・ヒトの倫理に関する日本での規制について学び、研究者らとディスカッションすることで、日本における医療イノベーションを支える仕組みついて議論し、理解を深めていただきました。招へい者からも、宗教上の規制、動植物の移動制限、カルタヘナ法に関する課題、共同研究への発展の可能性が提起されるなど、活発な討議が行われました。

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ノーベルファーマにて 会社概要について座学
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参天製薬にて 会社概要について座学

本事業にご支援をいただいた、さくらサイエンスプログラム、ジョイントセッションを共催いただいた、企業、機構の皆様、後援をいただきました日本製薬工業会に深く感謝申し上げます。また招へい者選考では、これまでのさくらサイエンスプログラム参加者にも協力していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。