2018年度 活動レポート 第211号:横浜市立大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第211号

さくらサイエンスプログラムを利用した「台湾—中国—日本フォーラム2018」の開催を振り返って

横浜市立大学
准教授 小島 伸彦さんからの報告

2018年8月27日から9月2日に渡って、台湾と中国から学生と教員を招へいし、特に再生医療や組織工学に関する最新研究についてのフォーラムを開催しました。

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シンポジウムにて

今回のフォーラムの起源は3年前に遡ります。2015年8月、横浜市大の学生15名と教員3名が台湾国立虎尾科技大学を訪問し、学生たちが英語でそれぞれの研究を発表しあうシンポジウムを中心として、交流を開始しました。2016年8月には、さくらサイエンスプログラムのサポートを受けて、台湾国立虎尾科技大学の教員1名と学生10名、そして自費参加の学生3名を招へいし、シンポジウムおよび日本の先端技術を学ぶ1週間のプログラムを実施。2017年8月、横浜市立大学の学生15名と教員4名が虎尾科技大学を再度訪問しました。2018年10月、虎尾科技大学の創立記念日に横浜市立大学の副学長と教員それぞれ1名が招へいされ、式典に参加しました。2018年2月21日、虎尾科技大学と横浜市大とで大学間のMOUを締結するに至っています。

このように虎尾科技大学と横浜市大の大学間で交流を深める中で、台湾と日本、さらにはアジアや世界の学生との交流を深めていくというアイデアが育ってきました。そこで本年は、虎尾科技大学(学生9名、教員1名)だけではなく、台湾国立陽明大学(学生2名、教員1名)、さらに台湾国立台北科技大学(学生2名)、中国の清華大学(学生2名、教員1名)をさくらサイエンスプログラムのサポートで招へいすることを試みました。プログラムでの招へい者以外に自費での参加希望もあり、虎尾科技大学からは学生3名と教員3名、陽明大学から学生1名が自費での参加となりました。学生が19名、教員が6名の総勢25名がこのフォーラムに参加したことになります。

プログラム2日目に開催したシンポジウムには、プログラム招へいおよび自費参加のすべての海外学生と8名の日本人学生、あわせて27名の学生が集い、全員が口頭で研究内容を発表しました。海外の学生たちは日本を訪問することを待ち望んでいたようで、シンポジウムでの発表による達成感もあり、直後のウェルカムパーティーは非常に盛り上がりました。

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横浜市立大学にて開催されたウェルカムパーティーでは、荻原保成横浜市立大学客員教授からシンポジウムで優れた発表を行なった学生に賞状が贈られました。

また、プログラム4日目に実施した横浜市大・医学部の教授陣による再生医療など先端技術を学ぶセミナーでも、訪れた教員や学生たちによる高いレベルでの質疑応答がありました。教授陣も質問のレベルが思ったよりも高く驚いたという感想を漏らしていました。

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横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の内山研究室、沓名研究室、小島研究室、佐藤研究室を訪問して、研究内容や装置について学びました。
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横浜市立大学先端医科学研究センターの各フロアを訪問し、腹腔鏡手術のトレーニングやリハーサルを行う「手術シミュレータ」を体験している様子。

プログラムを進める中で、今後、さらにこの流れを拡大していくという方向で虎尾科技大学、陽明大学、清華大学の教員たちの意見をまとめることができました。次回以降もアジアの連携、世界との協調を目指して、取り組みを続けていきたいと思います。

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横浜みなとみらいの「横浜みなと博物館」にて