2018年度 活動レポート 第207号:大阪大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第207号

中国西安交通大学の学生との交流・共同研究プログラム

大阪大学基礎工学研究科
教授 尾方 成信さんからの報告

さくらサイエンスプログラム(共同研究活動コース)で招へいされた中国西安交通大学のCAMP-Nanoセンター (School of Materials Science and Engineering)の大学院生6名、学部生4名の計10名が、2018年8月16日から9月5日の約3週間にわたって、大阪大学基礎工学研究科尾方研究室(数理固体力学グループ)に滞在しました。

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大阪大学基礎工学研究科前にて

本プログラムは、西安交通大学に在学し、高解像度電子顕微鏡内ナノスケール材料試験・材料観察に関して世界最先端の実験研究を実施している優秀な学生を受け入れて、受け入れ研究室の尾方研究室が得意とする理論・シミュレーション研究との融合研究を推進することを目的として実施しました。滞在中は、互いの研究紹介に始まり、理論やシミュレーションに関する講義、テーマ毎に小グループに分かれての具体的な共同研究プランの策定や予備的な共同研究の実施を行い、最終的には、期間中に得られた研究成果や議論の内容についての報告会を実施しました。

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核物理研究センターにて

一行は16日深夜に大阪に到着、17日は朝からウエルカムミーティングを行い、その後、大阪大学の博物館を見学、夕方には日本料理を囲んでのウエルカムパーティを行いました。これらのアクティビティには尾方研究室に所属する学生も多く参加し、学生同士の積極的な交流も行いました。参加者全員が日本への渡航がはじめてということもあり、キャンパスの雰囲気や、日本の料理には興味津々で、日本の雰囲気を大変楽しんでいる様子でした。

18日、19日の週末には、京都および神戸の名所を訪れて、日本の文化を体感しました。

20日、21日は研究セミナーを開催し、西安交通大学の学生10名全員と尾方研究室の教員、特任研究員、学生がそれぞれの研究内容について互いに紹介しました。西安交通大学の学生は主に実験観察、尾方研究室の学生は主に理論やシミュレーションを用いた研究成果について紹介し、非常に活発でかつ深い内容の議論がなされました。また、これらの発表内容をもとに、今後の融合研究の方針についても議論がなされ、共同して行う新しい研究トピックについて様々なアイデアが提案されました。

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シミュレーションレクチャー

22日、23日は尾方研究室の教員による、シミュレーションに関する講義と演習を実施しました。参加者は初めての計算機シミュレーションに最初は戸惑いながらも、結果が出るようになるとその面白さを実感しているようでした。

24日には、大阪大学の大型研究施設(レーザー科学研究所、超高圧電子顕微鏡センター、核物理研究センター)を見学しました。大型の施設に大変興味を持った様子でした。

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超高圧顕微鏡見学

27日から30日まではテーマごとに6グループに分かれて詳細な共同研究についての議論を実施しました。

31日には、電子顕微鏡を設計製造している日立ハイテクノロジーズ社の関西支店を訪問し、会社見学を行いました。会社の方とのミーティングでは、日頃から接している電子顕微鏡の最新技術に関することはもとより、日本の会社での仕事のやり方や就職のプロセスについての質問が相次ぎました。

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日立ハイテクノロジーズ社にて

9月3日には最終報告会を実施しました。グループに分かれて行った議論の結果を互いに報告し合い、今後の共同研究について相談しました。夜は大学近くのレストランで、尾方研究室のメンバーとのお別れ会を行い、BBQに舌鼓を打ちました。

当初9月4日に帰国予定でしたが、関西を襲った台風21号の影響で関空が使用できなくなっため、数日遅れて、別の空港からの帰国となりました。

3週間という短い期間のプログラムではありましたが、今後の共同研究に向けて意義深い交流ができました。参加者へのアンケート結果をみると、皆さん、日本に来て、日本を感じて、また日本に来たいと思ってくれたようで、プログラムを企画したものとして大変うれしく思います。このプログラムが今後の日本と中国の交流のさらなる発展に少しでも寄与することになれば幸いです。