2018年度活動レポート(一般公募コース)第185号
トップ協定校の優秀学生による先端科学技術研究の体験プログラム
横浜国立大学 国際戦略推進機構からの報告
横浜国立大学は2018年10月14日から23日までの10日間、中国の同済大学、山西大学、山東大学、上海交通大学の4つの協定校から10名の優秀な大学生及び大学院生を招へいし、さくらサイエンスプログラムのご支援により、プログラムを実施しました。
招へい学生らは、本学の人工知能理論と応用分野、外国為替や国際貿易と世界経済分野、ナノ材料高分子化学分野などの研究室及びグループに配属され、各分野で活躍する教員の指導を受けたり、科学実験やプログラミングの実践によって研究対象の制御を比較したり、研究室のゼミナールに参加したりしました。また、招へい学生らが自身の出身大学や自らの研究内容を発表するなどして、本学での配属先指導教員や学生と活発な研究交流活動を行いました。
当プログラムでは、本学での研究交流活動のほかに、企業の研究所への訪問と科学館見学も行いました。10月19日には、神奈川県川崎市の富士通研究所を訪問しました。この研究所は、常に最新の研究成果が展示されていることが特徴であり、現在・未来の社会課題を解決するため、グローバルな視野で最先端テクノロジーの研究開発を推進しています。特に、人工知能や先端材料、次世代素子、コンピュータネットワーク、ICTシステムの研究開発の先行事例と研究成果に関して、招へい学生らの好奇心と関心が非常に高く、次々に招へい学生から質問が出ました。特に、上海交通大学からの招へい学生は、自分の研究に関連の深い展示を見つけて非常に勉強になったと話していました。
東芝未来科学館では、新エネルギー技術やエコライフ、エコ社会を目指すエネルギーの総合利用に関する実験モデルについて大変熱心に見学した学生もいました。三菱みなとみらい技術館では、特に船舶流線型を研究する学生達は、展示してある模型を熱心に観察し、日本の先端技術を学ぶことができ非常に貴重な見学だったという報告を受けました。その他の招へい学生も宇宙航空技術の展示ブースで実際のフライトシミュレーションを体験したりと日本の先端科学技術の現状に対する理解を深められました。
また、休日を利用し日本文化研修として古都鎌倉と江の島を訪れました。長い歴史を持つ建長寺では13世紀から続く日中の文化交流の歴史を学びました。鎌倉を代表する鶴岡八幡宮では、皇室関連の記念行事が行われており、日本の伝統的な儀式に大変興味を持った様子でした。高徳院では大仏の大きさに圧倒されながら、大仏の内部の見学や記念写真を撮影したりして楽しいひと時を過ごしました。その後、バスで江の島に移動。途中、急に皆さんが騒ぎ始めた為、理由を聞くと、ある有名な日本のアニメ映画で出てきた江ノ電の踏み切りを通ったためだということでした。また、江の島花火大会と招へい学生らの訪問日が重なったため、観光客の多さに驚きつつも、中国の休日の観光地の混雑と変わらない賑やかさだとの感想を笑顔で述べていました。
最後の研修発表会では招へい学生がそれぞれの研修成果を発表しました。会場には研修先の研究室からも学生が10名ほど参加しており、招へい学生が研究室の短い見学の間でも様々な気づきがあったことを称賛しており、お互いの学生達にとって良い刺激のある交流ができたようです。プログラムを終えて招へい学生からは、本学教員への謝辞や、将来日本及び本学を再び訪れたいという声が聞かれました。この度は当プログラムに対して多大なご支援を賜りました、さくらサイエンスプログラムに感謝申し上げます。ありがとうございました。