2018年度 活動レポート 第179号:東京理科大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第179号

未来の航空機用材料の開発・強度技術の連携の礎を構築

東京理科大学からの報告

11月4日~13日の10日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、西安交通大学との研究交流プログラムを実施しました。今回の訪問受け入れの主旨は、東京理科大学における機械工学に関する最先端の研究、特に東京理科大学の強みである「航空機用複合材料の創製とその強度評価、並びに耐熱コーティング技術」に関する研究テーマを通じて、互いの研究能力の向上、コミュニケーション能力の向上、さらには将来の研究交流の種を作ることでした。

滞在期間は10日間、うち研究活動に費やせた時間は5日間と短いものでしたが、互いの学生が研究テーマを通じた交流、文化交流を共通言語(英語)で行い、その結果深い親睦関係を築くことができました。学生によっては中国で実施している研究テーマと非常に類似したテーマ、一方、中国での研究とは全く異なるテーマを5日間実施し、決して時間は十分ではありませんでしたが、参加した学生は皆大きな刺激を受けることができました。

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本学工学部機械工学科には航空機用エンジンのタービンにも使用される耐熱コーティングの強度評価(荒井研究室)、金属3Dプリンタを用いた航空機用超軽量構造の造形と評価(牛島研究室)を主に研究している研究室があります。また、理工学部機械工学科には3Dプリンタを用いた炭素繊維複合材料の直接造形とその強度評価(松崎研究室)、溶接構造用圧延鋼(SM400A)内部に生じるき裂進展解析(岡田研究室)があります。今回は航空機用材材料の創製と強度評価という大きな枠組みの中で、4研究室に5名の学生を配置し、5日間の研究を体験してもらいました。

また、滞在後半(11月12日)には、日本における材料強度評価や航空機に関わる最新の実験を学ぶ機会として、AIST(茨城県つくば市)とJAXA(東京都三鷹市)を訪れました。最新の研究設備を見学し、活発なディスカッションを通じて多くのことを学ぶことができました。このような交流のきっかけをくださったさくらサイエンスプログラムに深く感謝します。

実施プログラムの詳細な内容は以下の通りです。

それぞれのキャンパスでの研究活動

11月4日(日)に成田空港で出迎え、翌5日より9日までそれぞれのキャンパスで研究活動を行いました。最初は英語でのディスカッションに慣れない日本人学生も、互いの研究を紹介しあいながら次第に打ち解け、交流ができました。

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各研究室での研究交流風景

研究成果報告会および懇親会

11月9日の夕方(16:00-17:00)、それぞれの研究室で体験した研究の成果を報告する会を実施しました。短い期間でしたが密度の濃い研究を体験したことに驚きました。終了後は本学管理棟2階食堂ホールにて懇親会を行いました。

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研究成果報告会での集合写真

施設見学会(AIST、JAXA)

11月12日にはAIST(産総研、茨城県つくば市)、JAXA(東京都三鷹市)の研究施設を見学し、最新の実験力学に基づくひずみ評価(モアレ干渉法を用いたひずみ評価)、大型風洞実験を用いた翼構造の空力特性評価を見学しました。

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JAXAでの見学風景