2018年度活動レポート(一般公募コース)第149号
自然との共生を実現する循環型エコシステムを学ぶ日・台高校生交流
宮崎県立宮崎北高等学校からの報告
国立台湾師範大学附属高級中学から生徒5名と教員1名を、高雄市立高雄女子高級中学から生徒5名と教員1名を2018年10月21日~30日の期間で招へいしました。招へい校は英語や課題研究に力を入れている学校です。
(1)実験教室
①化学:「鈴木-宮浦クロスカップリング反応」を題材にし、台湾生徒1名と北高生徒2名がグループで活動しました。実験手順や2種類の発光物質の合成について両国の生徒がディスカッションしながら行いました。終盤では台湾生徒、北高生徒、北高化学教員が熱心にディスカッションする姿が見られました。
②生物:「光合成色素の光劣化」を題材にし、台湾生徒2名と北高生と4名がグループで活動しました。4つの実験(抽出、分離、光の吸収、励起光の放出)について、仮説-実験-検証を繰り返すことで研究者の思考過程を疑似体験させました。生徒たちは光によるカロテノイドの劣化についてディスカッションしていました。
(2)ディスカッション
研究活動におけるチームワークや話し合いを学ぶとともに、視野を広げるための活動を行いました。本校で合意形成を学ぶ「コンセンサスゲーム」と、「課題研究に関するディスカッション」を行いました。高校生同士ということもあり、議論が盛り上がり内容の濃いディスカッションができました。最後に本校で行っている科学英語の授業「Earth Science」に参加しました。グループでのディスカッションとプレゼンテーションを行いました。
(3)「自然と共生する町づくり」を学ぶ綾・国富研修
自然と共生する町づくりを学ぶため、1泊2日で綾を舞台に研修を行いました。完全有機農家である早川農苑では生産者との話し合いや農業体験、有機農産物による食事を通して、安全・安心な食について学びました。綾町役場の協力をいただき、ユネスコエコパークに認定されている綾町のエコサイクルの取組について講義や質疑を行いました。また、綾町に宿泊し、その良さを実感することができました。最後にソーラーフロンティアの工場を見学し、フルオートメーションシステムを興味深く見ていました。将来、自然と共生する町づくりを牽引する高校生にとって有意義な活動であったようです。
(4)宮崎大学訪問
今回招へいした台湾の高校生は、工学部に関連する内容を取り扱っていることもあり、宮崎大学工学部を訪問しました。施設見学や体験授業を行い、プログラミングやもの作りを行いました。将来のまなびの場として宮崎大学を選択してもらえる可能性がでてきたのではと考えています。
(5)日本文化体験
日本の良さを知ってもらうために、剣道、書道、茶道を体験しました。各指導者と部活動生のサポートのもと行いました。剣道では実際に防具を着けたり、竹刀を振ったりしながら楽しんでいました。書道は経験者も多く、良い作品が出来上がりました。茶道は正座に苦しみながらも日本ならではの時間の流れを体感していました。