2018年度活動レポート(一般公募コース)第147号
Summer Research Program in Tsukuba 2018
筑波大学からの報告
今年で第9回目となるSummer Research Program in Tsukubaを筑波大学医学医療系と生命環境系研究室が合同で、2018年7月23日から8月3日の14日間に渡り開催しました。このプログラムには、さくらサイエンスプログラムの支援によりインドネシア4名、ベトナム4名、台湾2名の合計10名の大学生、大学院生が参加しました。
このプログラムでは、招へい学生に筑波大学の優れた研究環境を直接体験してもらい、筑波大学大学院における留学生のサポート体制を目にすることで、将来日本の大学院への進学を目指す優秀な留学生を勧誘すると共に、共同研究の発展や筑波大学に在籍する学生、教員と招へい学生の交流を通して、グローバルな視野を広げることを目的としています。
招へい学生は2週間、各研究室に所属し、医学、農学、生物学など、それぞれ最新の研究テクノロジーや実験手技を用いて、地球規模の問題の解決のための研究に取り組みました。台湾から来たYen-Che Lee君は加藤光保教授(実験病理学研究室)の元で、がんに関する研究を行いました。また、インドネシアから来たAssyifa Gita FirdausさんはMichael Lazarus准教授(国際統合睡眠医科学研究機構)の元で睡眠に関する研究を行いました。その他、招へい学生は各々の研究室において最先端の研究を体験しました。
さらに学生は世界で活躍する3名の研究者による科学セミナーを受講しました。筑波大学医学医療系渋谷彰教授は「Drug development by targeting immunoreceptors」、生命環境系Andrew S. Utada准教授は「Physics in biology」、国立台湾大学Chau-Ti Ting准教授は「The genetic basis of behavioral isolation in Drosophila」のテーマで自身の研究テーマについて講演いただき、招へい学生は熱心に耳を傾けていました。
さらに、プログラムの中で得られた研究成果を発表するために、筑波大学医学医療系Thomas Mayers、Bryan Mathisによる英語での研究発表プレゼンテーションについての講義や個別指導を受け、招へい学生は研究成果を世界に発信するプレゼンテーション能力について学びました。
週末には、招へい学生は筑波研究学園都市内をめぐるサイエンスツアーに参加し、産業技術総合研究所や宇宙航空研究開発機構を訪れ、日本の科学技術の高さとつくばサイエンスシティの立地の良さを体感しました。
参加者は、プログラムの期間中に科学だけではなく、日本文化についても学んでもらうと様々な企画が開催されました。筑波大学人文社会系小野正樹教授らのグループには、日本文化の紹介や日本語の基礎を学び、学生は日本語での挨拶や自己紹介を学びました。また、折り紙を使ってネームプレートを作製し、カタカナで名前を書き入れました。他にも、筑波大学学生との様々な交流会が行われ、参加学生は巻き寿司、オムライス、餃子などを料理するクッキングコンテストをしたり、餅つきや学生が作製したサイエンスかるた遊びをするなど、たくさんの交流会を開催し、親睦を深めました。
プログラム最終日には、発表会が行われ、招へい学生はプログラム期間に得られた研究成果を発表し、優秀な発表には賞が与えられました。その後、女性参加者は色鮮やかな浴衣に着替え、盛大なフェアウェルパーティーが行われ、盆踊りや和太鼓パフォーマンスなどを楽しみました。2週間の中で参加者は科学について深く理解を深め、さらに日本についても学ぶ充実したプログラムであったと思われます。
本プログラムを実施するにあたり、手厚い支援をいただきましたさくらサイエンスプログラムに深謝いたします。