2018年度活動レポート(一般公募コース)第143号 (Aコース)
「科学を通して深まったシンガポール高校生との絆」
兵庫県立神戸高等学校からの報告
シンガポール姉妹校の来校
2018年度の交流プログラムは、8月21日~8月28日の日程で、神戸高校の姉妹校である、シンガポールのラッフルズインスティテューション(以下RI)から、10名の高校生を神戸高校に招待し、実施されました。今年度のプログラムでは、特に日本の建築分野にかかわる科学技術に焦点をあてたプログラムを作成し、両校の高校生たちが、様々な交流活動を行いました。
あいにく、気象警報発令の為、8月23日、24日のプログラムの一部を中止、変更せざるを得ませんでしたが、参加者たちは、柔軟にプログラム変更に対応し、与えられた状況の中で積極的に交流を重ね、様々な経験を積むことができました。
科学を通した様々な交流
①共同科学実験
「モデルロケット打ち上げ実験」、「自然科学研究会との科学交流」を行いました。自分たちの想定した実験結果を得るために、両校の生徒が活発に議論を重ねて案を練り、科学工作を行いました。日本モデルロケット協会の指導員の指導の下で行ったモデルロケットの打ち上げ実験では、シンガポールではなかなか経験できない火薬を使った実験に、生徒たちは興味を持って意欲的に取り組んでいました。
②科学研究プレゼンテーション
神戸高校は、スーパーサイエンスハイスクール指定校として、世界で活躍する理数系人材育成のために、幅広い理数プログラムを行っています。その一環として、総合理学科の課題研究の授業では、自分の興味関心に応じた研究活動を行っており、英語でのプレゼンテーションにも積極的に取り組んでいます。
RIの生徒たちも同様に、一人ひとりの生徒が独自の研究テーマを持っており、シンガポールの大学の研究室に通うなどして、それぞれが研究を進めています。
その両校の生徒たちが、日ごろの研究の成果を発表しあい、活発な意見交換により研究内容を改善することを目的として、プレゼンテーションを行いました。
プレゼンテーションの後の質疑応答では、様々な質問が飛び交い、有意義な時間になりました。
③大学研究室訪問
京都大学大学院エネルギー科学研究科を訪問しました。研究室で開発されている様々な最先端の研究や研究成果についての講義を受けました。講義の後で、小グループに分かれて、施設内見学をさせていただきました。外国からの高校生が、なかなか足を踏み入れる機会がない施設であり、RIの生徒たちが日本での研究生活を具体的にイメージするために非常に役立つ経験となりました。
当初予定していた、日本の建築技術を学ぶ講義、演習は、気象警報発令の為、中止を余儀なくされましたが、RIの生徒たちは、後日ホストファミリーとともに竹中大工道具館を訪れて、予定されていた学習内容を学びました。
最後に
このプログラムでは、RIの生徒たちは、様々な科学交流を通して、日本の文化、伝統のみならず、日本の科学技術に関して多くのことを学ぶことができました。今回の経験で得た、様々な知識や人とのつながり、日本に対する印象が基となり、将来、世界で活躍する場に、日本を選んでくれることにつながるものと期待しています。