2018年度 活動レポート 第134号:宮崎大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第134号

インドネシアの学生が持続可能な流域環境の利用と管理技術について学ぶ

宮崎大学工学部国際教育センター
教授 村上啓介さんからの報告

ブラウィジャヤ大学工学部と農業工学部の学生10名(大学院生3名、学部生7名)を、2018年10月28日から11月6日までの期間(10日間)で受入れました。本プログラムでは、自然環境、利用、防災が調和した流域環境管理について、講義と現場見学を交えて学ぶことを目的としました。人口増加に伴う土地利用開発が盛んに行われているインドネシアでは、自然環境、利用、防災が調和した適正な流域管理は重要な課題となっており、本研修は参加した学生にとって有意義なものとなりました。

招へい者一行は、10月28日の午前に羽田空港に到着し、その日の午後に日本科学未来館を訪問しました。翌日は、国土交通省国土技術政策総合研究所(つくば市)を訪問し、土木建設分野に関係した最新の実験施設を見学しました。

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国土技術政策総合研究所を訪問

3日目の午前中に宮崎大学に移動し、午後からプログラムオリエンテーション、大学内の施設見学、工学部長表敬訪問を行いました。工学部長との意見交換では、学生たちが自分の将来の進路などを交えながら自己紹介をしました。

4日目の午前中は、土木系学科の実験施設の見学を行いました。また、午後から宮崎大学の杉尾哲名誉教授をお招きし、東九州の歴史や文化を交えた流域管理技術について学びました。

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土木系実験室の見学

さらに、5日目は、本学農学部の多炭教授と工学部の入江教授をお招きし、自然環境、利用、防災が調和した流域環境管理の考え方に関する講義を受講しました。ここでは、農学分野と工学分野の両面から、流域環境管理の考え方の違い、共通点、重要性を学びました。

6日目は、日向市美郷町で行われている、流域の総合土砂管理を目的としたダム本体の改造工事現場を見学しました。この工事は、ダム本体に排砂ゲートを新たに設け、治水、環境、利用が調和した流域管理を目指すもので、工事担当者から内容について説明を受けるなど、先端的な技術情報を得ることができました。

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日向市美郷町での現場見学での集合写真

また、7日目から8日目にかけて、川内川流域に位置するえびの市と小林市を訪問し、農村民泊を通じて日本の典型的な流域文化と地元の人々とのふれあいを体験しました。

9日目は、研修の総括として、本プログラムで得られた知見や体験を踏まえ、インドネシアにおける流域管理の問題点を取りまとめ、パワーポイントを使って発表しました。その後に、工学部長を交えて修了式を行いました。

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学生によるプレゼンテーション

宮崎大学は、ブラウィジャヤ大学と大学間協定を締結し、研究交流と学生交流を継続的に行ってきました。本プログラム研修を通じて、ブラウィジャヤ大学との交流が更に強固なものになりました。また、全参加学生から、今回の来日経験は非常に有意義であったとの感想を得ることができました。このような機会を与えて頂いた「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。

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プログラム修了式での集合写真