2018年度 活動レポート 第132号:東京理科大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第132号

アクティブラーニングを取り入れた日本型理科教員養成の方法論を学ぶ

東京理科大学からの報告

東京理科大学理学部第一部物理学科川村研究室では、2018年10月9日より17日まで、中華人民共和国山東省の曲阜師範大学より8名の外国人学生、研究者と引率教員を1名ずつお迎えしてプログラムを実施しました。

本年度の当研究室でのテーマは「アクティブラーニングを取り入れた日本型理科教員養成の方法論」と題して、当研究室の活動の中心である「理科大好き実験教室」を中心にプログラムを受講していただくこととなりました。

「理科大好き実験教室」は一般の方を大学にお迎えして、実験教室を受講していただく企画です。このため、研究室所属の学生たちにとっては本番同様の模擬授業を行う貴重な機会となります。今回のプログラムでは、テーマに基づいて「理科大好き実験教室」の事前準備と打ち合わせから本番までを中心に参観していただくプログラムとなりました。

今回の「理科大好き実験教室」では「分光筒・万華鏡」がテーマとなっており、16日が本番となりました。10日に担当者による方針説明を行い、それまでに担当者は材料の準備とリハーサルを行います。外国人学生たちは本研究室の学生たちと一緒に方針説明を聞き、15日の事前共有で実際に分光筒と万華鏡の製作を行いました。製作した分光筒では、実際に白熱電球と蛍光灯LED電球ではスペクトルが異なることを一緒に確認していただき、今回の実験教室の要点を掴んでいただきました。

写真1
リスーピアでのワークショップの事前共有

そして明けた16日、直前の打ち合わせで授業の流れ、学生たちの動きを確認しました。本番では外国人学生たちにも「理科大好き実験教室」の受講者たちの間に入っていただき、受講者たちが分光筒と万華鏡を製作しているのをジェスチャーと英語交じりで手伝っていただきました。

写真2
理科大好き実験教室で分光筒を作製

「理科大好き実験教室」が動いている間に、当研究室の活動紹介として輪講とワークショップが行われました。色素増感太陽電池、卓上サボニウス型風車風力発電機、そしてIoTを活用した卓上サボニウス型風車風力発電機の性能測定の3テーマです。

写真3
輪講で購読した文献をもとに木炭電池カーのデモンストレーションを行う
写真4
卓上サボニウス型風車風力発電機の研究紹介

また本学の授業においても「理科教育論」「物理学実験2」を参観していただきました。「理科教育論」は教職志望者向けの科目で、反転授業的に授業展開を実施しています。このため、授業展開自体が先進的であり、外国人学生たちは新しい形の授業展開を、本学の教職志望の学生たちの間に入って興味深そうに参観していました。

また社会教育においても、アクティブラーニングと最新の電子機器を活用している科学館として、パナソニックセンターリスーピアを13日に見学していただきました。見学に先立ち、12日にはあらかじめリスーピアや科学館での科学啓発活動についての概要説明を行い、当日のワークショップの内容についての事前共有を本研究室の学生たちとともに行いました。そして当日の午前中はワークショップを参観、午後から常設展示を見学していただきました。

当研究室では今後も中国での科学啓発活動の推進に微力を尽くします。このような交流のきっかけを作っていただいたさくらサイエンスプログラムに感謝いたします。

写真5
終了ガイダンスでの集合写真