2018年度 活動レポート 第127号:東京理科大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第127号

機械工学とメカトロニクスの先端に触れるインターンシッププログラム

東京理科大学理工学部機械工学科
教授 川口靖夫さんからの報告

「さくらサイエンスプログラム」の招へいで中国・西安交通大学の学部生10名・教員1名を迎えて、7日間(2018年8月26日~9月1日)のプログラムを実施しました。

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来日した西安交通大学の学生達10名、教員1名、実施責任者と理科大理工学部にて

外国人がもつ日本の印象は、高度・精緻に作られた日本製工業製品により形作られることが多く、もの作りを支える日本の機械工学には強い関心が寄せられています。いっぽう機械工学も在来のイメージから脱却し、エネルギー・環境技術、流体や機械部品のコンピュータシミュレーション、知能化、IoTといった多方面で高度化しており、そうした先端に触れる機会は、外国の若い学部生にとって貴重な体験となります。受け入れに当たる日本人学生・院生と協働しともに学ぶことによって、両国の若者に国際人としての視野を育てることも目的のひとつです。

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塚原研究室でのインターンシップ、流体シミュレーション

今回は西安交通大学の理工系学部から選り抜かれた学生達10名と教員1名を迎え、3日間のインターンシップを含む実質5日間のプログラムを行いました。学生達の専門分野に応じて、理工学部機械工学科の5つの研究室に2名ずつを配属して流体シミュレーション、材料シミュレーション、モーションキャプチャとVR技術といった機械工学の先端分野の課題に取り組んでもらいました。

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髙橋研究室でのインターンシップ,材料シミュレーション

実験室では指導教員から丁寧な課題説明を受け、院生との共同作業をし、充実した日々を過ごしました。東京理科大学での教育・研究環境を体験し、また日本人の学生・院生と触れあえる機会になりました。

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竹村研究室でのインターンシップ,モーションキャプチュアとVR

来日した学生達はその他にも講義(日本文化)、日本文化体験(邦楽、弓道、茶道)など様々な活動に取り組みました。帰国前日には報告会を行い、日本側の教員や学生達多数を前にインターンシップで得られた経験について発表し、暖かい励ましを受けていました。

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日本文化(弓道)を体験しました

学生(L.Ch.さん)の報告書から一部を取り上げて紹介します。

「髙橋研究室でのインターンシップは衝撃的で有意義でした。材料強度のコンピュータシミュレーションは私にとって初めての課題でしたが、ティーチングアシスタントの学生が教え、援助してくれました。高橋研の素晴らしい雰囲気に驚きました。課題を始めるとき、学生たちは、正確で忍耐強く説明することで強いプロフェッショナリズムを見せてくれました。彼らは新しい発見や問題に出会った時には意欲と好奇心を示します。さらに彼らのユーモアとホスピタリティは仕事と生活への情熱を表しています。私は彼らと大きな家庭の中で働き、彼らの研究と協力への姿勢に触れたことはインターンシップの経験をユニークで忘れがたいものとしました。」

「日本の丁寧、繊細、精密な仕事や製品は、中国のみならず世界から高い評価をうけていますが、来日してみて私の予想を裏切らないことがわかりました。また『自然との協調』というと抽象的で日常生活とはかけ離れたところと思っていましたが、日本人を見ると彼らは自然に対して敬意を払い、自然の持つパワーを感じています。そのことが日常のマナーや食事を無駄にしない精神に反映し、さらに資源の有効利用、環境保護、遵法といった世界的なモラルに広がっていくことがわかります。」

今回の学生受入により日本側の学生にもよい刺激があり、両国の学生同士にも深い友情が育まれました。さくらサイエンスプログラムからのご支援に感謝いたします。