2018年度活動レポート(一般公募コース)第122号
インドネシアの高校生が再生可能エネルギー技術を体験
足利大学からの報告
平成30年8月19日から8月27日までの9日間、インドネシアから4つの高校(セコラ・ジニアス高等学校(タンゲラン市)、ラズアルディ高等学校(デポック市)、国立第17高等学校(タンゲラン市)、国立第23高等学校(タンゲラン市))より10名の学生を招へいし、足利大学(栃木県・足利市)にて“エネルギーと繊維産業の町Ashikagaで再生可能エネルギーを最新の教材により体感する。”をテーマにプログラムを実施しました。
本プログラムは、科学コンテスト受賞歴のある高校生を招へいし、再生可能エネルギー分野の第一線で活躍する研究者の指導の下で、同分野に対する理解を深めてもらうことを目的としています。
8月19日
夕刻、成田に到着。長時間フライトで若干疲れた様子の招へい者たちは、空港で夕食をとった後、バスで大学のある足利市へ移動しました。
8月20日
開講式・オリエンテーションの後、牛山泉特任教授(本学理事長)による再生可能エネルギー全般に関する講義を受けました。
午後は、安藤康高教授による、太陽電池の製作を通して太陽からエネルギーを得る仕組みを体験するワークショップを行いました。招へい者は実験データの解析に熱心に取り組んでいました。
その後のウエルカムパーティでは、招へい者は母国インドネシアのダンスを披露。大いに盛り上がりました。
8月21日
飯野光政助教による、風力発電機の製作を通して風からエネルギーを得る仕組みを体感するワークショップを行いました。招へい者は、本学にて展示する様々なタイプの風車に関する講師の解説を熱心に聴いていました。
8月22日
午前中は、足利市内の古民家で藍染体験をし、生地の絞り方によって染模様がさまざまに変化する様子に驚いていました。
午後は、足利市内の織物産業遺産の見学、書道体験をしました。招へい者は、漢字に高い関心を示し、自ら書きたい漢字を調べ、熱心に取り組んでいました。
8月23日
午前中は、桐生市内の織物産業遺産を見学し、午後は水力発電施設(ダム)等を見学しました。招へい者は、機織の実演、ダム内で稼働する大型タービンに高い関心を示し、施設の職員に熱心に質問していました。
8月24日
午前中は、中條祐一教授による、ソーラークッカー(太陽熱調理器)製作ワークショップを実施しました。招へい者は、猛暑にもかかわらずワークショップに積極的に取り組み、太陽光の熱だけでシチューやケーキができることに驚いていました。
午後は、閉校式において修了証書を授与し、本学におけるプログラムは終了しました。
8月25日
ヒッポファミリークラブ会員の皆様とホームステイを実施。地域の日本人家族との交流を通じ日本・インドネシア相互の文化理解を深めました。
8月26日
足利市内でのプログラムを終えた招へい者は東京へ出発。新宿のホテルにチェックインした後、日本科学未来館を見学しました。招へい者は最先端の科学技術を集めた展示物に高い関心を示し、特にASIMOのデモンストレーションを食い入るように見つめていました。その後、新宿、渋谷等の都内各所を電車で移動。日本の夏の暑さにしばしば閉口しながらも、東京の人の多さとともに交通システムの正確性に驚いていました。
8月27日
午前中は、東京都庁を見学、庁舎展望デッキから見渡す都心の景色を食い入るように見つめていました。午後、成田へ移動、「奨学金をもらって日本に絶対に留学したい!」との言葉を残し、インドネシアへ帰国しました。
実施後のアンケートでは、招へい者全員が日本での留学を強く希望していました。また、多くの招へい者が再生可能エネルギーのインドネシアでの普及可能性に言及するとともに、日本人のおもてなし精神に感動したとの感想が多くみられました。
最後、本プログラムの実施にあたり、さくらサイエンスプログラム、ヒッポファミリークラブの皆様、各訪問先の皆様に心より感謝申し上げます。