2018年度 活動レポート 第111号:東京都市大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第111号

日韓タイ中・4か国の学生が東京の都市の未来を協働提案

東京都市大学都市生活学部からの報告

韓国のソウル市立大学、タイのチュラロンコン大学、中国香港の高等教育科技学院の学生総勢34名が東京に集結。東京都市大学の学生とともに国際混成チームを編成して2018年7月31日(到着)~8月9日(帰国)の日程で協働作業を行いました。東京の秋葉原、上野、浅草の3地区を対象に都市の未来を提案しました。

1.学生の国際混成チームによる都市設計ワークスタジオ

課題は「都市の速度を落とす」こと。巨大都市東京は鉄道網が高度に発達し、秋葉原―上野間には上下16本の路線にピーク時には約2分間隔で電車が行き来します。そんな大量輸送の装置を備えた東京の中心部に、あえてトラム(路面電車)を復活し、沿線の街並みと人々の活動を変える「未来の都市づくり」を提案することが、学生たちに与えられた作業課題です。

4か国の学生たちは、6名ずつ9つの国際混成チームになって、延べ8日間の協働作業を行いました。課題は秋葉原、上野、浅草の3地区に分けられ、それぞれ3チームずつ。どの国も英語ネイティブではありませんが、英語で会話するとともに、技術の共通言語である図を描きながら、各人の意見を伝え合います。日本の学生たちがあらかじめ用意した資料を持って、チーム全員で課題地区の現地を訪れ、それぞれのイメージを持ち帰って、等々力キャンパスのプロジェクトスタジオで討論しました。

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国際混成学生チームのディスカッション

4か国6名ずつの国際混成チームの学生には、それぞれ得意分野がある。CAD(Computer Aided Design)の操作に卓越した学生、未来の都市の斬新なアイデアを出す学生、空間設計のコンセプト図を上手にまとめ上げる学生、街路樹の修景の専門家、写真のモンタージュが得意な学生などです。提案のストーリーを考え、役割分担で案を作成していきます。そしてほぼ毎日、指導教員を交えて途中経過を発表します。指導教員の側も国際混成でしたので、様々な見解が出され、アイデアが練られていきました。

写真2
等々力キャンパス内プロジェクトスタジオ(毎日行われた国際混成チームごとの中間指導)

最終日、台風13号が東京に迫る2018年8月8日午後、成果発表会が行われました。大教室に各国の学生と教員約70名が参集し、1チーム20分ずつ、3時間余りに渡って英語での熱心な発表と質疑が続きました。成果品は各チームA1版パネルに美しくまとめられました。

写真3
成果品のパネル

2.レクチャーと視察

滞在中、協働作業だけでなく、各国学生たちの学習の視野を広げるため、レクチャーと視察を行いました。

レクチャーでは、空間設計に人の動きを組合わせる「群衆流動シミュレーション」のスキルを、キャンパス内プロジェクトスタジオのPCを使ってOJT方式で体験しました。この技術は、東京都市大学都市生活学部では演習授業に採り入れていますが、他大学ではほとんど行われていない特別授業です。

視察では、まず臨海部の晴海地区を訪れ、東京五輪を前に進められている都市再生プロジェクトの全体像をUR都市機構が保有する1000分の1大模型を前に紹介するとともに、次いで日本の中枢機能が集積するビジネスセンターのひとつ丸の内・大手町地区を訪れ、街で進む最先端の都市再生を徒歩で見学した後、PPP(公共と民間のパートナーシップ)の歴史と仕組みを民間企業の実務者を交えて学習しました。

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東京の都市再生のレクチャー

3.参加者の感想

キム キウクさん(ソウル市立大学学生)

This program gave me a broader landscape architecture's perspective. And I had feelings about Japan. If I have a chance, I want to do it again. Thank you.

スウィット ファンスムロンさん(チュラロンコン大学学生)

Very impressive exchange program. There are so many interesting activities to do. The atmosphere of Tokyo is very nice. Moreover, the foreign student is very nice. I will come back to this program if I get the chance again.

レン キティンさん(香港高等教育科技学院学生)

Everything was well arranged in the exchange program. There was comfortable accomendation with convenient location. Time was meaningful with packed and fluent schedule. Also, I appreciate that there was sufficient time for studio work. I gained a great experience in the exchange program. I enjoyed working with students from different countries. We collaborated smoothly and generated great ideas although having different cultural background.

パビニー インチョムプー講師(チョラロンコン大学教員)

On behalf of Chulalongkorn University, I would like to take this opportunity to express our gratitude toward the host, TCU colleagues, who organized this workshop, and a special thank to the Sakura fund for providing this opportunity for me and my students. We really are enjoying it, and I think it really provides the students a chance to learn different culture, corroborate with others, and make friends through this program. Thank you very much indeed.

写真5
招へい者の集合写真