2018年度活動レポート(一般公募コース)第099号
東南アジアの若手研究者との食品安全機能解析に関する共同研究推進事業
香川大学農学部
教授 田村啓敏さんからの報告
平成30年7月16日から7月25日の日程で、タイ(チェンマイ大学、カセサート大学、チュラロンコン大学、アサンプション大学)、ベトナム(ハノイ工科大学)、中国(浙江工商大学、南京農業大学)の各大学から1名の研究者を招へいし、10日間のプログラムを実施しました。
香川大学の研究遂行力を理解してもらうため、最初に香川大学農学部が所有する分析機器の紹介や実験室の所有する機器やそれを利用した実験内容の紹介、希少糖研究ステーションを訪問し、希少糖生産の意義と機能性素材としての効果の紹介を行いました。
また、研究室のこれまでの成果を講義により紹介しました。午前中を講義の時間に当て、午後はその講義に関連した実習・実験を行い、効率良く内容が理解できるようにしました。
食品機能化学研究室の実績を学ぶことを通じ、母国の食材を使った新しい機能性食品の開発力に興味を持ち、帰国後の香川大学農学部との共同研究の推進のチャンスを広げることができました。
この写真は、機能性成分(ほうれん草のクロロフィル)を簡便に抽出することができる方法を紹介し、実践してもらった場面です。
成人病や現代病を食材の力で予防したり、症状を軽減できれば、高齢化社会の持続ある健康的な生活を維持することにつながります。腸管細胞モデルとなるCaCo-2細胞やガン予防に貢献できる可能性があるRaji細胞、アレルギー機能を評価できるRBL-2H3細胞などを使った培養法、アッセイ法の実習を行いました。
また、日本の食品製造メーカの訪問、小豆島など地元の伝統食品の製造現場の訪問、愛媛県科学博物館も訪問しました。オートメーション化された食品製造現場と伝統的な製造工程を現地で見学実習させ、日本の食品製造の現状を理解してもらい、食品の安全性をどのように保証しているのかを学ぶことができ、両方の食品加工法の強みや弱みを体験をさせることができました。もちろん、科学の理解を深めるため、愛媛県科学博物館を訪問し、少年の心で、科学の楽しさを体験してもらいました。