2018年度活動レポート(一般公募コース)第092号
国際PBLプログラム「高効率・低振動の小型風車開発」
大阪工業大学工学部機械工学科からの報告
大阪工業大学工学部機械工学科は、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、国立台湾科技大学の学生10名および教員1名を招へいし、 2018年8月20日から8月26日までの間に本学において「風レンズ付き風車の設計開発」のプロジェクトに取り組みました。さくらサイエンス支援の非対象者の台湾学生5名も参加し、全体として台湾学生15名と日本人学生20名の計35名が5チームに分かれ、小型風車のデザインや部品加工、組み立ておよび性能評価を共同で実施しました。
また、性能試験結果、土台や風レンズのデザインといった風車に関する評価の他に、日々のプレゼンテーションやチームワークなども含め、総合的にチームを評価し、最終日に表彰を行いました。本プロジェクトでは、短期間のものづくりプロジェクトを通じ、グローバルな技術コミュニケーション力やリーダーシップ力、限られた時間で高い成果を出すための調整能力などを高めることを目的としました。
初日
台湾学生と日本人学生の交流を深めることを目的として、ウェルカムパーティを開催しました。ウェルカムパーティでは、日本人学生が大阪の観光名所と食文化について説明し、台湾学生は興味深く聞き入っていました。
2日目
本学の宮部正洋教授と吉田準史准教授が本プロジェクトの概要を説明した後、各チーム内で風車のコンセプトについて議論し、風車製作および性能試験の計画を立てました。ほとんどのチームが風車のブレードの設計を終え、3Dプリンターを用いてブレードの製作に取り掛かりました。また、風レンズについても設計を終え、製作を始めました。設計/製作作業の後、各チームが進捗報告を行い、設計時の課題とその解決方法について発表しました。
3日目
まず前日の進捗を踏まえ、各チーム内で作業内容について話し合いました。そして、午後の作業が始まる前に進捗状況と問題点を確認し、早い段階で問題の共有と対応ができるように取り組んでいました。このようにして毎日、朝と昼に進捗状況確認を行いました。全てのチームが風車の土台製作に取り掛かりました。
4日目
工場見学および昼食会を予定していましたが、台風20号の接近により、当初の予定が全てキャンセルとなりました。午後からは安全が確認できたため、本学において風洞装置を用いて風車の性能試験を行いました。
5日目
各チームは風車の性能を改善しようと、チームメイトが納得するまで議論を続けていました。深い議論によって性能を著しく向上できたチームもありました。最終日である5日目に、最終報告会を行いました。性能評価結果や発表内容などを総合的に評価して、優勝チームを決定し、フェアウェルパーティにおいて表彰を行いました。
本プロジェクトを通して、日本と台湾の考え方の違いを感じつつも活発な議論を交え、短期間に設計、製作および発表を成し遂げたことで、技術コミュニケーション力やリーダーシップ力、マネジメント力などが養われたと思います。一方、教員同士も交流し、今後のプロジェクトについて有意義な話し合いができました。
最後に、このような貴重な機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」、およびプログラムに快く協力してくださった全ての方々および機関に、心から感謝申し上げます。