2018年度活動レポート(一般公募コース)第086号
医療材料開発研究における持続可能なネットワーク構築と次世代女性リーダーの育成
九州工業大学大学院工学研究院
城﨑由紀さんからの報告
2018年7月1日から10日間、マレーシア、マレーシアプトラ大学から学生3名、教員1名、台湾、国立台湾科技大学から学生4名、タイ、タマサート大学から学生4名、教員1名の合計13名を招へいし、今後の共同研究を促進させるための活動を行いました。
本プログラムは開発までに長い時間を有する医療材料研究のために、持続可能な国際ネットワークを3年間で強化することを目的としています。1年目は、その趣旨を参加学生に熟知させると共に、3Dプリンターを用いた実験を中心として、新しい研究課題の提案を生み出すことを試みました。
国と学年を超えた学生間の結びつきを強化する為に、全ての活動をグループに分けて行いました。大学紹介およびプログラム中の諸注意等は本学学生が行いました。
プログラムのメインである3Dプリンターを用いた試料作製では、2台の異なる装置を用い、台湾および日本の学生から各装置に関して説明を行い、グループごとに装置を使用して試料の作製を行いました。さらに、体内環境を模倣した溶液を作製し、試料をその溶液中に静置しました。次年度はこの試料の分析を行う予定です。本学の応用化学科および生命体工学研究科での研究室見学等を通して、様々な研究分野に関しての議論も深めました。
第5回若手研究者セミナーでは、帝人ナカシマメディカル株式会社のIlona Hoffman博士、産業技術総合研究所の大矢根綾子博士、トリノ大学医学部のStefania Raimondo博士、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社の小川哲朗代表取締役社長から医療材料開発に関する研究内容やこれまでの研究経歴に関してお話頂き、研究から製品化に至る経緯など今後の医療材料開発に必要なことを基礎から応用まで幅広く学びました。
さらに企業見学として安川電気株式会社を訪れ、培養ロボットなどロボットの最新技術に関して学びました。
悪天候で特別警報が出ているにも関わらず、北九州観光コンベンション協会、うめね呉服店および池坊佳月式植田先生のご協力により浴衣と華道を体験し、日本の礼儀・作法といった文化にも触れ見聞を深めました。
最後に3Dプリンターを用いた今後の応用をグループごとに報告し、来年度へ繋げる形でプログラムを終了しました。
今回のプログラムでは、学生が主体的に動くということを目的とし、招へい学生達にもプログラムの運営準備をしてから来日してもらう形にしました。来年度は、今年度の内容を発展させる形で引き続きネットワーク強化に繋げていく予定です。