2018年度活動レポート(一般公募コース)第082号
千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター短期学生交流プログラム
千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター
千葉大学大学院工学研究院
教授 劉 浩さんからの報告
2018年7月23日から7月30日までの8日間にわたり、さくらサイエンスプログラムの助成を受け中国・上海交通大学から10名を招致し、千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター短期学生交流プログラムを実施しました。本プログラムは上海交通大学・千葉大学国際共同研究センターの国際交流プログラムとして毎年同時期に実施していて、日本での生活や学術研究の魅力を深く知ってもらうことを目的としています。
本年も、 ICRC教授陣による特別講義および研究室見学、学外施設見学(理化学研究所、日本科学未来館、TEPIA先端技術館)が行われました。さらに日本文化体験(折り紙、浴衣の着付け)、キッコーマン野田工場の見学も企画し、科学技術分野だけに留まらず、伝統文化、産業などの視点からも日本を理解できるようにしました。残念ながら台風10号による日程の変更が災いし日本文化体験は中止となってしまいましたが、ほぼ日程どおりにプログラムを実施することができました。
今回は5名のICRC教授陣から、「持続可能な社会を拓くバイオミメティクス(生物)」(劉教授)、「時間と周波数の制御:デジタル時代のボトルネック」(橋本研也教授)、「高速ビジョン・マニピュレーション」(並木明夫准教授)、「生体運動制御と機能補助」(兪文偉教授)、「血球運動のバイオメカニクス」(坪田健一教授)と題した特別講義とそれぞれの研究室の見学が行われました。さらに千葉大学、上海交通大学の両学生による研究発表交流会も催されました、特別講義での議論や研究室見学、研究発表を通して日中双方の学生・スタッフ間の活発な交流がみられました。
学外施設見学で訪れた理化学研究所和光キャンパスでは、情報基盤センターと仁科加速器科学研究センターでスーパーコンピュータや原子加速器などの実験設備を見学しました。招へい学生は高度な設備に強く関心をもち、熱心に質問をする姿が見られました。また東京の日本科学未来館とTEPIA先端技術館では、アシモやオルタといった最先端のロボットなどの展示に感銘を受けた様子でした。
伝統文化・産業理解の一環として訪れたキッコーマン野田工場では、千葉県の代表的な産品の一つである醤油の歴史や製法を学びました。製造工程の中で変化していく色彩や風味を五感で感じることで、千葉県に根付く代表的な産業である醤油への理解を深めた様子でした。
台風による急な日程変更はあったものの、プログラムは終始日中両学生の笑顔に溢れた和やかな雰囲気の中進み、結果的に大成功を収めたと実感しています。実際、招へい学生からもまた来日したいという声が多く聞かれました。今回築いた日中学生間の絆をより強固にし、更なる科学技術交流へ繋げていきたいとの決意を新たにしています。
末筆ながら、本プログラムを支援していただいたさくらサイエンスプログラム、千葉大学、その他機関・団体の関係者各位にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。