2018年度活動レポート(一般公募コース)第081号
ベトナムの高校生との科学技術交流プログラム
渋谷教育学園渋谷中学高等学校からの報告
渋谷教育学園渋谷中学高等学校は、ベトナム、ハノイにあるリートンキエット中学校の卒業生を中心に、生徒10名、教員1名を7月23日から30日までの8日間にわたって招へいしました。本校では15年以上にわたりシンガポール、中国、ベトナムとアジアの青少年との交流を続けてきた実績もあり、アジアに対する生徒の関心も高く、また、本校がSGH指定校になっていることもあり、今回の招へいに至りました。
今回の招へいは2つの大きなテーマをもとに計画がなされました。1つ目は本校生徒との共同実験、2つ目は日本の先端科学を実感して日本の科学技術に関心を持ってもらうことを掲げました。
具体的には、共同実験は2つの分野で行いました。1つはベトナムでの環境問題もあり、「CODの測定」を、もう1つはPCR法を用いての「イネのDNAを観察」を行いました。ベトナムの高校での科学分野の学習内容が判らないために、実験の趣旨、手順、および、事前学習をしてきてほしい分野等を英文で送り、実験内容の確認から行いました。共同実験は英語を主言語にして行い、一部通訳の方の手を借りて、2つの実験を3日間にわたり行いました。ベトナムでの理科学習が座学中心ということもあり、ベトナム高校生は2つの実験を大変興味深く参加していました。
2つ目のテーマの日本の先端科学に関心を持ってもらうことに関しては、どのように行えば日本の先端科学の紹介になり、日本の科学技術に興味を持ってもらえ、将来日本への留学を志してくれるのか等の企画面と、それらをつなぐ言語ツールをどうするかをずいぶんと検討しました。
先端的な科学技術内容を正確に、高校生にわかりやすく説明するために、東京大学ベトナム人留学生会に協力をお願いし、ベトナム語による日本の先端技術を紹介という形を取りました。各研究室の先生方の協力もあり、ロボット工学、ゲノム解析等先端技術をわかりやすく紹介でき、その紹介者がベトナム人留学生ということもあって、日本での生活、日本への留学方法等質問も多岐にわたっていました。また、通訳も本校が高大連携協定を結んでいる東京外国語大学に依頼し、ベトナムから日本に留学している大学生に依頼したこともあり、二重に日本への留学を身近に感じられる結果になったと思っています。
ポストアンケートにも全員から大変良かったとの声があり、特に日本の大学への留学に大変興味を持ったとありました。無事に終われたのも、この招へいに協力してくださった多くの方々の協力があったおかげです。ありがとうございました。