2018年度活動レポート(一般公募コース)第078号
マレーシアのパハン大学(UMP)との共同研究プログラム
岡山大学からの報告
2018年7月22日から7月29日に、マレーシアのパハン大学(UMP)から学生4名と教員1名を招へいしました。招へい目的は岡山大学とUMPで取り組んでいる磁気ナノ粒子の特性評価と磁気的免疫検査法への応用に関する研究を行い、今後の共同研究を推進することです。
磁気ナノ粒子は、近年バイオ分野への応用に関する研究が活発に行われています。特に磁気ナノ粒子を用いた免疫検査法は、現状の検査法よりも短時間で高感度測定が可能であり、今後実用化が期待されています。今回は岡山大学の先端医用電子工学研究室で開発した超高感度磁気センサのSQUIDを用いた磁気ナノ粒子の基礎特性評価装置と免疫反応検査装置を用いて測定・評価を行いました。
岡山に到着した1日目は岡山市内を視察しました。学生4名は初来日で、長旅の疲れも見せず、初めて見る日本の街並みに興味津々でした。
2日目は午前中にオリエンテーションを行ったあと、本学の学生による超高感度磁気計測装置の説明と測定のデモンストレーションを実施しました。その後は研究室の見学を行いました。我々の研究室では計測に関するデバイス作製と評価、計測システムの開発を行っており、多種多様なデバイス作製の装置や評価装置を見学して、研究内容について活発に質問する場面も見られました。
3日目と4日目は磁気ナノ粒子の基礎特性評価、免疫反応の測定を行いました。まず磁気ナノ粒子の直流磁化特性、交流磁化特性を岡山大学で開発した装置を用いて測定を行い、UMPで開発を行っている小型の磁気特性評価装置で測定した結果と比較し、議論を行いました。その後、磁気ナノ粒子を用いた免疫反応の測定も行いました。測定の合間には本学の学生や教員から超高感度磁気センサの原理や測定プロセスに関する説明も行い、UMPの学生たちは熱心に説明を聞いていました。
5日目は倉敷科学センターと倉敷美観地区を訪問しました。科学センターでは、楽しみながら科学技術を学べる展示を見て感心していました。また美観地区では、美しい風景や日本の伝統的な建築物に感動するとともに和食を堪能し満足した様子でした。
6日目は各学生が研究成果の発表を行い、本学の教員や学生たちと議論を行いました。その後、夕刻から懇親会を開催し、研究室の学生たちも参加して交流を深めました。倉敷訪問や懇親会では研究室に滞在していた短期留学生も加わり、様々な国の学生と会話し非常に良い交流の機会となりました。
翌日は大阪へ移動し、大阪城や大阪歴史博物館を訪問して日本の歴史を学ぶとともに、大阪市内の観光を楽しみ、翌日早朝の便で帰国の途に就きました。
約1週間という非常に短い期間でしたが、帰国したUMPの学生からは今回のプログラムが非常充実したものであったと報告があり、今後の共同研究を推進する貴重な機会となりました。