2018年度 活動レポート 第77号:熊本大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第077号

アジアンバイオマス有効利用に関する国際交流プログラム

熊本大学グローバル教育カレッジ
教授Armando T. QUITAINさんからの報告

2018年7月16日(月)~7月25日(水)の期間、韓国のソウル大学、タイのチュラロンコン大学、モンクット王トンブリー工科大学、タマサート大学、フィリピンのフィリピン大学、デラサール大学、アテネオデマニラ大学、ベトナムのホーチミン工科大学、マレーシアのペトロナス工科大学、インドネシアのスラバヤ工科大学から合計10名(教員3名、学生6名、研究員1名)をお迎えし、「アジアンバイオマス有効利用に関する異文化・集学的交流」というテーマで本プログラムを実施しました。

本プログラムでは、熊本大学内の施設見学や研究室訪問、教員による先端科学講義、シンポジウムでの研究発表、さらに学外活動として、九州大学の見学や、県内の民間企業や工場、公的研究機関への訪問、日本および熊本の歴史、自然、文化を学ぶ体験などを行いました。

写真1
学内関係者と本プログラム参加者による集合写真

熊本大学内の活動

熊本大学の紹介や研究室見学に加え、化学工学に関する先端研究の講義を行いました。

写真2
化学工学研究室見学の様子

参加者は、熊本大学の歴史や魅力を紹介したプレゼンテーションや、各講師による興味深い講義を真剣なまなざしで聴講しました。さらに、研究室見学では、装置や設備の写真を撮ったり、説明を聞いて時折メモを取るなど、非常に有意義な時間を過ごしているようでした。

本プログラムの中で開催されたシンポジウム“International Symposium on Asian Biomass Utilization and Functional Materials”では、各参加者の研究について口頭発表がありました。質疑応答を通して、研究分野に関するディスカッションを行った他、本学の大学院生、共同研究先の企業の方によるポスター発表を通して、様々な研究分野に関しても興味深く聴講しました。

写真3
“International Symposium on Asian Biomass Utilization and Functional Materials”学会の様子

学外研修

九州大学の訪問では、訪問先の研究室に在籍している留学生の研究発表の聴講や、質疑応答による交流、九州大学の設備、装置の見学を通して、先端分野の研究や技術を知る機会となりました。

熊本県内の公的研究機関である熊本県産業技術センターを訪問し、最先端の技術や分析機器の説明を受けながら見学した他、熊本地域で進められている、JSTの地域イノベーションプログラムについても説明を受けました。

熊本県内の製造メーカー1社、化学メーカー1社、飲料メーカー1社を訪問しました。手作業で行うガラス器具を作るプロセスを間近で見たり、飲料の製造ライン、工場レベルでの大型の蒸留装置を見たりすることで、日本企業の最先端技術について多くのことを学んでいただけたようです。

写真4
株式会社同仁化学研究所の見学の様子

日本の歴史・自然・文化に触れる

熊本市内の様子や2016年4月に起こった熊本地震からの復興途中である熊本城の現状を見てもらうことにより、熊本の魅力や復興から立ち上がる熊本の人々の強い意志、我慢強さをアピールできたと強く感じています。

写真5
熊本城にて

さらに、福岡県太宰府市の太宰府天満宮の視察、柳川市での川下り体験を行いました。翌日には、熊本県阿蘇市の黒川温泉郷や鍋ケ滝に出向き、日本特有の宗教観や文化、豊かな自然などを実際に経験してもらうための視察も行いました。

連日のハードなスケジュールにも関わらず、参加者同士の会話と笑顔が絶えず、存分に楽しみながら日本の歴史や自然、文化を学んでいる様子でした。同行した日本人学生も、英語および日本の文化を再度学ぶ機会となり、非常に良い体験となりました。

最後に、本プログラムを実施するにあたり、多大なご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラム関係各位に深く感謝いたします。