2018年度活動レポート(一般公募コース)第062号
インド4大学の学生がスマートインフラ整備・新エネルギー・環境持続性を学ぶ
広島大学からの報告
広島大学では、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、「スマートインフラ整備・新エネルギー・環境持続性を学ぶ短期研修プログラム」(平成30年6月26日〜7月6日)を実施し、インド工科大学デリー校、インド工科大学ムンバイ校、ビルラ科学技術大学ピラニ校、インド科学技術大学シブプール校より、学生8名、教員2名を受け入れました。
本プログラムは、日本とインドの双方で将来の科学技術研究を担う学生の相互理解と協力関係を構築すること、本学の教育研究を知ってもらうことで大学院進学の呼び水とすること、将来の本学とインド4大学との連携教育、共同研究に繋げる基盤の構築を目指して実施しました。
学生は、本学の強みとして研究力強化を図っている研究拠点を中心に、環境共生スマート材料研究拠点や、生体システム、ロボティクスなどの11の研究室を訪問し、特別講義やラボ訪問に参加しました。学生たちの関心は非常に高く、積極的に質問をしたり、自分の意見を述べたりしていました。
日本のインフラ技術や先端技術の実装を学ぶための企業訪問では、インフラモニタリングや測定/計測を行う企業や自動車部品会社のほか、日本のインフラ技術を知るための温井ダム、広島に本社を構えるマツダの博物館を訪問、技術者、実務者の方から直接説明を受けました。
また、広島文化体験として、広島の世界遺産である厳島神社を訪問し、学生たちは、水上の鳥居、仲見世、鹿など宮島の世界観を満喫していました。また、広島の歴史や原爆の被害、広島の平和活動について学ぶ広島ピーススタディも行いました。広島平和記念資料館や原爆ドームの訪問では、原爆の悲惨さや平和の大切さについて学んだほか、様々な路面電車が通る広島の町並みを楽しみました。
プログラムの後半には、本学の研究拠点の一つである「広島大学エネルギー超高度利用研究拠点」が主催する「燃料とエネルギーに関する国際会議」に参加。国内外の専門家が集まる国際会議で、最先端の研究動向や広島大学の学生の発表を聞く良い機会となりました。
広島大学で学んだことを発表する成果発表会では、最も印象に残った研究や、日本の町並みデザイン、原爆の被害についてなど、本研修で学んだ事をテーマに、自身でさらに深く調べた成果を発表してくれました。
帰国日の7月6日、インド工科大学ムンバイ校の招聘者は早朝の飛行機で広島空港を出発しました。しかし、同日のそれ以後のフライトは西日本豪雨の影響により全てキャンセルとなったたため、7名が帰国出来なくなりました。西日本豪雨の被害が大きく、学生たちは疲れや不安を感じていたことと思いますが、地元の方のご厚意で、日本茶道の体験などをして過ごしました。8日には、インド工科大学デリー校、ビルラ科学技術大学ピラニ校の学生と教員5名が、翌9日はインド科学技術大学シブプール校の学生2名が無事帰国することが出来ました。