2018年度活動レポート(一般公募コース)第049号
先端材料およびデバイスに関する共同研究プログラム
北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科からの報告
本学先端科学技術研究科では、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け、平成30年7月30日から8月7日までの間、台湾科技大学、雲林科技大学、成功大学の学生合計9名と1名の教員を招へいし、研究交流を行いました。3年間のプロジェクトの2年目です。
上記3大学とは、2016年10月に、本学との間に学術交流協定を締結しており、また、2017年1月には本学にて、同12月には成功大学にて、4大学合同での材料科学分野に関する国際ワークショップを開催するなど交流を深めてきました。
今回の台湾の3大学の交流には、以下の目的があります。
(1) 本学と台湾3大学との材料科学・デバイス分野での共同研究の推進
(2) 材料科学・デバイス分野の共同研究を通じた学生間の国際的なネットワーク構築
(3) 招へい学生の日本文化等への理解
本プロジェクトへの参加を希望する3大学の学生には、本学での研究内容に関する提案書を提出してもらいました。提案書の記述内容に加え、英語の能力、本学教員の研究テーマのマッチングも勘案し、招へい学生を選定しました。招へい学生は、ロボティクス、ナノ微粒子、電子顕微鏡、バイオセンサー、有機デバイス、シリコン太陽電池を専門とする各研究室に分かれ、自身の専門性も生かした研究に取り組みました。来学初日には、各受入れ研究室において、招へい学生自身の大学の紹介と、現在行っている研究の説明を行ってもらい、本学学生とのコミュニケーションを始めるきっかけとしました。
招へい学生の実験は、本学学生がサポートしました。日本人学生にとっては、英語によるコミュニケーションを通して海外の同年代の研究者と議論を行う貴重な経験となりました。また、英語でのやりとりが不十分となるような場面では、本学に在学する中国からの留学生が、日本語と中国語を駆使して手助けをする機会も多くあり、新たな形の国際交流も垣間見られました。
帰国当日の午前中には、成果報告会の場を設け、各招へい学生から、滞在中の研究成果と活動内容をまとめたプレゼンテーションを、英語で行ってもらいました。招へい学生は、限られた期間の中で、今後につながる素晴らしい研究成果をあげ、また高い水準の発表を行いました。本学学生にとっても、大いに刺激となったようです。
週末には自由時間も設け、地元石川県の施設への訪問やショッピングなどを通し、日本の文化を体験してもらいました。また、滞在期間中の土曜日が、運よく地元の川北花火大会と重なり、見物に行きました。台湾では体験できないような規模の花火大会だったとのことで、多くの招へい学生にとって、心に残るイベントとなったようです。
今回の招へい学生からは、プログラム全体として非常に有意義であったという感想とともに、「もう少し長く研究したかった。」「日本の大学院への留学に興味を持った。」という意見もありました。
今回の機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」、その他本学の協力スタッフに、心よりお礼申し上げます。