2018年度活動レポート(一般公募コース)第031号
技術科学に基づく日越交流型先導的人材育成プログラム
長岡技術科学大学電気電子情報工学専攻
准教授 佐々木徹さんからの報告
ベトナム社会主義共和国ホーチミン市工科大学から3名の学生を受け入れ、平成30年7月16日~25日の日程でプログラムを実施しました。
ホーチミン市工科大学はベトナムで1、2を争う工科系大学であり、現在、長岡技術科学大学はホーチミン市工科大学とのツイニングプログラム(学部課程前半2.5年をホーチミン市工科大学で、後半2年を長岡技術科学大学で行い学部教育を完成させる)を通じて、日本語のできる多くのベトナム人材を日本やベトナムの社会へ還元しています。
今回の受け入れは、電気電子情報工学専攻に関わるツイニングプログラムの学生のベトナム国での学習のモチベーションを高めるとともに、日本語学習・日本文化・科学技術を理解し、日本及びベトナムで先導的技術者となることのできる人材をとなるようなキャリアビジョンを涵養(かんよう)することを目的としました。
本プログラムは、長岡技術科学大学がいくつかの大学と連携して行なっているツイニングプログラム学生を対象としたツイニング夏期集中プログラムをベースとして行ないました。今回のプログラムではすでに本学へ進学を希望している学生3名を招へいしました。
参加者は来日後、大学での生活に関するオリエンテーションを行い、大学内に附置されている大型装置のあるセンターや本学電気電子情報工学専攻の研究室見学、模擬講義体験、模擬研究室体験、日本語教育を行いました。また、キャリアビジョンを涵養することを目的として、企業等見学(東北電力(株)東新潟火力発電所、大河津分水)やツイニングプログラムの学生や日本人学生との交流時間を設けました。
本プログラムの終了後、参加者全員が修了証を受け取り、無事本国に帰国いたしました。本事業の中で、参加者が本学の日本人教員・学生やベトナム人学生と交流、研究室見学や大規模な装置見学、模擬研究室体験を通じて、これまでに自国で見てきた環境とは異なり、日本の大学の生活や将来の研究テーマを見出すなどの効果がありました。また、ベトナム国内ではあまり見ることのできない大規模な発電装置や建造物を視察することで、ハードウェアの大切さを理解したようでした。
さらに、彼らが日本とベトナムの産業の架け橋となる人材としての日本語の大切さを学びました。現在、長岡技術科学大学は、教育、研究分野においてホーチミン市工科大学との新しい交流を築き、また産業界との結びつきを強める状況にあります。
本プログラムを通じて、参加者が日本とベトナムの架け橋となる指導的人材となることを自覚し、その意欲を今後の学習活動に向けてもらえることを期待しています。