2018年度 活動レポート 第29号:岡山理科大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第029号

精子活性に関する試験紙デバイスの開発に関する共同研究の推進

岡山理科大学からの報告

岡山理科大学では、平成30年7月1日か15日にかけて、さくらサイエンスプログラムの共同研究活動コースにより、台湾国立清華大学から大学院生1名を招へいしました。

これまで、岡山理科大学の松浦宏冶と台湾国立清華大学の鄭兆珉のグループは精子活性に関する試験紙デバイスの共同開発を進めています。その評価項目を増やすための実験方法の開発を推進するために、台湾側の大学院生が岡山理科大学に訪問し、2週間程度滞在しました。すでに共同研究が約5年程度進んでおり、我が国への大学院生の招へい実績を有しているために、プログラム運営のスキームは確立されています。本交流プログラムによって、招へい者の分析技術に関する理解や関心が促進されました。

写真1
招へい者、研究室内の学生、協力者の集合写真

本プログラムは共同研究活動が目的であり、招へい者は来日2日目から早速実験を開始しました。所属先では使用する経験がなかった顕微鏡を用いた運動精子評価システムや分光光度計を使った分析を行いました。本人がこれまでに使用しなかった機材もありましたが、使用しているうちに原理を理解し、操作法に慣れて行ったものと思われます。

写真2
顕微鏡を用いた運動精子評価システムを用いた招へい者による分析
写真3
分光光度計を使った招へい者による分析

第1週目後半から西日本では豪雨に見舞われ、岡山市内も大変な状況になり、週末は外出もままならない状況でしたが、幸い問題無く本プログラムを進められる状況でした。

第2週目からは実験操作にも慣れ、精子の運動性と試験紙デバイスを用いた反応を同時計測できるようになりました。試験紙デバイスはこちらの写真に示すように、ワックスプリンターで濾紙上にワックスを印刷して作製します。招へい者は台湾で日常的にデバイスを作製しており、本研究活動では色の変化を定量的に議論することが活動目的となっています。得られた結果についても解析し、本プログラムの後半にはこの2週間での実験結果について報告できるように結果を整理してもらいました。

第2週目の最後には研究室の学生との懇親会と報告会を行いました。招へい者は流暢な英語によるプレゼンテーションで、これまでの成果を説明していたのが印象的でした。発表会の後で、本学の学生とともに日本と台湾の状況について会話しました。本学の学生は日々使い慣れない英語で話す状況でしたが、円滑にコミュニケーションを図ることができたと思います。招へい者にとっては、日本での研究の進め方など、本共同研究活動によって非常に勉強になる点が多かったようです。

写真4
報告会における招へい者の成果発表

本共同研究活動により、今後も海外からの学生・研究者が本学で研究活動を進められるようになるのではないかと思います。

写真5
協力者より招へい者への証明書の授与