2018年度活動レポート(一般公募コース)第028号
港湾都市における建築・都市設計学に関する、中国・天津大学建築学院との国際交流事業
神戸大学大学院工学研究科からの報告
天津大学建築学院から大学院生10名を招へいし、神戸大学工学研究科建築学専攻と天津大学建築学院の共同による建築と都市デザインに関する国際的な研究・教育プログラムの開発を目的とした国際交流事業を、6/9~17の9日間にわたり実施しました。本事業は都市デザインに関するワークショップと両大学の交流建築設計展の2つのプログラムで構成されています。2016年度にさくらサイエンスプログラムにより本事業を神戸で実施し、2017年度は神戸大学が天津大学建築学院を訪問し、同事業を実施しました。今年度で3回目の事業となります。
(1) 課題発見型の都市デザインワークショップの開催
2日目から6日目まで、「神戸港開港180年の都心ウォーターフロントをデザインせよ」という設計課題を課し、都市デザインに関するワークショップを神戸大学工学部内で実施しました。神戸大学教員2名(栗山尚子准教授、中江研准教授)、天津大学の鄭穎副教授、胡一可副教授の指導のもとで、両大学の混成チームを4つ構成し、各チームが提案を行ないました。
2日目の午前中に、神戸大学工学部にて、神戸市都心ウォーターフロントの現状と課題に関する説明を行ない、昼にはウェルカムパーティーを行ないました。午後には、課題の対象敷地である神戸・都心ウォーターフロントの現地視察を行いました。3日目からグループワークに着手し、4日目の午前には中間講評会を実施しました。
広い敷地かつ、今から約30年後のウォーターフロントの都市像を提案するという難易度の高い課題であったため、学生たちは毎日の長時間にわたる議論と作業を行ないました。提案パネルは7日目から設計展で展示され、8日目の設計展の講評会の場で、ワークショップでの提案の発表を行ないました。
(2) 交流建築設計展の開催
6日目から9日目の4日間に、KIITO(デザインクリエイティブセンター神戸)にて神戸大学・天津大学交流建築設計展を開催し、両大学の設計演習や卒業設計の優秀作品と、今回のワークショップの成果品を展示しました。
8日目に、天津大学教員(張頎院長)、神戸大学教員(遠藤秀平教授、槻橋修准教授)、馬場正尊氏(東北芸術工科大学教授、OpenA代表取締役)、阿部大輔氏(龍谷大学教授)を講評者として迎え、展示作品についての講評会を行ないました。講評会後は、さくらサイエンスプログラム修了式とフェアウェルパーティーを行ない、9日目に設計展を終え、天津大学建築学院の皆さんは無事に帰国しました。
学生たちは、提案を計画する際の考え方の違いに戸惑いながらも、専門分野での交流を通じて、短期間でありながら濃密な交流をすることができました。共同研究への展開も目指し、引き続き交流の継続を検討していく予定です。
本事業をご支援いただいたさくらサイエンスプログラム、本交流プログラムの構築や種々の手続き・調整に尽力いただいた天津大学建築学院の皆様、本事業にご協力いただいた全ての方々に、心より御礼申し上げます。