2018年度 活動レポート 第21号:福島工業高等専門学校

2018年度活動レポート(一般公募コース)第021号

陝西工業職業技術学院と福島高専との実践的ものづくり交流と先端技術視察

福島工業高等専門学校からの報告

平成30年6月10日(日)~16日(土)の7日間、中国陝西省咸陽市にある陝西工業職業技術学院から学生10名と引率教員1名の計11名が来日し、「実践的ものづくり交流と先端技術視察」の受入れプログラムを行いました。

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化学バイオ工学科でのものづくり体験の様子

陝西工業職業技術学院と福島高専は、平成29年5月に上海・杭州で行われた日中大学フェア&フォーラムin CHINA2017内での「日中大学マッチング会」をとおして知り合い、同年9月に学術交流協定を締結したばかりでした。具体的な交流について模索中であったため、交流事業としては、今回のさくらサイエンスプログラム採択プログラムが初めてであり、相互の交流推進にとって極めて重要な事業となりました。また、本校としてもさくらサイエンスプログラムへは初申請で初採択となり、大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。

本交流プログラムには、招へい校の各専攻学科から学生が選抜され、工学系4学科の各ものづくり体験プログラムに参加しました。機械システム工学科においては、キーホルダー作製をとおして金属の特性についての知識を深め、鋳造の実習を体験しました。電気電子システム工学科では、本科学生の授業に実際に参加してセンサ素子を使った電子回路実習に参加しました。化学・バイオ工学科では、薬品からナイロンを合成して採取する実験を体験しました。都市システム工学科では、担当教員による「日本の橋の構造について」の講義を聴講し、橋の構造や強度についての知識を深めました。

写真2
機械システム工学科でのものづくり体験の様子

先端技術視察として、地元製造企業の見学、楢葉遠隔技術開発センター、福島再生可能エネルギー研究所での講義と視察に参加し、本来の自分の専攻のみならず、それ以外の体験活動も積極的に行っていました。

今回招へいした学生および引率教員は残念ながら英語を話さず、中国語のみでの対応となり、本校の中国人の実施担当教員が全行程に同行してガイドおよび通訳を行いました。親睦会などでは、交流するのが難しいのではないかと危惧しておりましたが、お互い簡単な英語でのやり取りから、中国のインスタントメッセンジャーアプリ等をとおして、交流を深めていました。

茶道体験や、日本語講座、「環境水族館」アクアマリンふくしまへの見学なども楽しみ、日本文化への造詣を深めていました。交流プログラムのアシスタント業務に従事した本校のチューターやTAの学生にも、中国文化のみならず日本文化への新たな発見があり、刺激になったようでした。

写真3
日本語講座で日本語を学び、折り紙の折り方を日本語で教えました。全員折ることができました。

招へい教員からは、「日本は環境整備がきちんとなされ、ごみの分別は参考にしたい。福島高専の学生の学習態度は真面目であり、特にノートをきちんと取っており、中国人学生に参考にさせたい。再生可能エネルギー研究所の研究成果は、是非世界に広げていって欲しい技術である。」といった感想をいただきました。

写真4
電気電子システム工学科において、ノートの取り方が大変すばらしいと参考にしている様子
(優れているノートの掲示を、携帯で写真に収めていました)

また、参加学生からは「今回福島に来て、東日本大震災の後の復興に感銘を受けました。また、日本人は勤勉であり、国を挙げて震災復興に貢献するために努力していると感じられました。」、「福島高専を訪れた時、学生の勤勉さと専門知識に感心しました。講義ノートはとてもきれいで、みんなが真面目に実験に取組んでいました。実践と理論との組み合わせにより、早い時期から良い基礎を築き、成長することができていると感じました。」といった感想があり、今回の体験は、受入れ学生の意識変化を促すものとなりました。向上に貢献できました。

両国の学生の科学技術における更なる交流発展に期待し、今後の両校の交流を最適な形で継続していきます。

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修了証書授与記念写真