2018年度活動レポート(一般公募コース)第012号
アジア諸国の若手研究者が量子線分子科学の実験及び理論に関する共同研究を行う
茨城大学大学院理工学研究科からの報告
茨城大学大学院理工学研究科量子線科学専攻は、2018年5月21日から6月8日までの19日間、さくらサイエンスプログラムの助成を受け、インド、タイ、ベトナム、および台湾から、大学院生、ポスドク、教員9名を招へいし、共同研究活動コースである「量子線分子科学の実験及び理論をつなぐアジア諸国ネットワークを生かした共同研究」を行いました。
5月22日には水戸キャンパスでガイダンスが行われ、馬場充・副学長の挨拶、高妻孝光・量子線科学専攻長による専攻の説明、および森聖治・量子線科学専攻副専攻長(実施主担当者)等によるガイダンスおよび招へい機関の紹介が行われました。その後水戸、日立キャンパスおよび東海サテライトキャンパスの各研究室において、量子線分子科学に関連する課題に関する共同研究を実施しました。
5/30-6/2の間、量子線によってタンパク質等の生体分子やソフトマテリアルの構造と性質、およびその応用を調べることを主題とした”Quantum Beam in Biology and Soft Materials”に関する第3回茨城大学量子線科学国際シンポジウム(水戸キャンパス)に参加したほか、茨城大学量子線科学国際シンポジウム期間中の5/30午後には、大強度陽子加速器施設J-PARC(東海村)を見学しました。この見学は、NHKからも取材されていました。
6/3に、このさくらサイエンスプログラム実行委員会が中心になり量子線分子科学の理論と実験に関するアジアワークショップ(”Asian Workshop of Experiment and Theory in Quantum Beam Molecular Sciences”)(水戸キャンパス)を開催し、尾﨑久記理事・副学長の開会挨拶をはじめ、茨城大学の教員ほか、招へい者や招へい機関の教員(引率者)も含めた講演がありました。招へい者は、大学院生も含めて全員招待講演者としました。参加者数は30名と小さな規模でしたが、活発な質問であふれました。
帰国1日前の6月6日には、最先端の日本の科学技術が展示されている日本科学未来館(東京)見学を実施しました。招へい者は全員無事に帰国し、「この国際学術交流が大変役に立った」、「新しい研究手法や研究のスタイルを学んだ」、さらに、「招へいされた国同士の間でもネットワークが拡大することができた」ことなど満足度の高いアンケート結果を得ました。
今後も、これらの方々と共同研究を進めるとともに、これらの招へい機関との学術交流を深化させます。なお、招へいした若手研究者には今後のご活躍をお祈りするとともに、このプログラムの運営・実施を行うのに対し、ご協力いただいたJSTをはじめとした皆様方に感謝申し上げます。