2018年度活動レポート(一般公募コース)第007号
PBLを通じたタイ・コンケン大学の学生との交流プログラム
東京都市大学からの報告
タイのコンケン大学の学部生10名が東京都市大学世田谷キャンパスで「PBLを通じた日泰学生交流」をテーマに本学の学生との交流プログラムを実施しました。
コンケン大学とは初めてのさくらサイエンスプログラムによる交流で、「科学技術体験コース」で平成30年5月30日〜6月8日の10日間を本学で主に課題解決型学習に取り組んでもらいました。
本学の知識工学部ではこれまで、さくらサイエンスプログラムに対して多くの実績を残していますが、その特徴は、招へい学生が希望する研究室で本学の大学院生の支援を得ながら課題解決に望むところにあります。日本の大学独特の共同生活体的な研究室の良さを伝えることも、本プログラムの一つの目的となっています。今回のプログラムでは、招へい学生の希望に沿った知識工学部の3研究室の協力を得て実施しました。
3つの研究室の課題解決型学習を紹介します。
●情報通信工学科・集積化システム研究室(指導教員・柴田随道教授、傘昊准教授)
集積化システム研究室で4名の学生が2班に分かれてPBL課題を取り組みました。その課題は以下の2つです。
課題1:「演算増幅器回路のモデリングと応用」
オペアンプを使った正帰還、負帰還回路技術の学びを目的として回路シミュレータを使って所望の利得の増幅回路やウイーンブリッジ発振回路の設計にチャレンジし、実測結果と設計結果の比較検討に取り組みました。
課題2:「AD変換器回路基礎の理解」
AD変換の原理、AD変換器回路の基礎技術の学びを目的として、システムレベルで4bit AD変換器モデルを作成し、MATLABによるシミュレーションでADCモデルの動作確認と性能検討を行いました。
●情報通信工学科・通信システム研究室(指導教員・林正博准教授)
通信システムでは2名の学生が配属され、通信システムの信頼性分析に関する課題に取り組みました。1名の学生には「信頼性ブロック図を用いた分析」の課題に、もう1名の学生には「マルコフ解析を用いた信頼性分析」の課題に、それぞれ取り組んでもらいました。
●情報科学科・自動制御研究室(指導教員・大屋英稔教授、星義克講師)
自動制御研究室に配属された4名が2つのグループに分かれて、小型移動ロボットの自律制御に関する課題に取り組みました。2名の学生に対する課題が「ライントレースと障害物回避」で、もう2名の学生に対する課題が「左手法による迷路走破」でした。
6月7日の午後に成果発表会が行われました。このプログラムに携わった教員、大学院生に加え、国際センターの教員の参加のもと発表会は行われました。発表会終了後、修了式が行われ、三木千壽学長より各々の招へい学生へ修了証が授与されました。
招へい学生の希望に沿った研究室に配属し、個人的に、もしくは2名でPBLに取り組むことで、招へい学生に専門に対する興味を深めさせることができました。課題解決に際して本学の学生がサポートを行いますが、本学学生と招へい学生の関係はその域を超えることも特徴です。
休日には、本学の学生がラーメン、お好み焼きといった日本らしい食事を共にしたり、渋谷、秋葉原等のホットスポットを紹介したりし、両校の学生は親睦を深めました。本学の国際人育成プログラムとしても、さくらサイエンスプログラムが有効に機能しています。今後も、さくらサイエンスプログラムに積極的に参画していきたいと考えています。