さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第44号
さくらサイエンスハイスクールプログラム第10グループ
日本の高校生のサポートのもと、5分野の科学実習を体験
今年度最終となるさくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)第10グループ(中国・太平洋島嶼国・東チモール・モルディブ)計143名(引率者含む)は、7月24 日(月)、東京工業大学附属科学技術高等学校(東京・港区)を訪れました。同校は「科学・技術科」の一学科のみで構成され、理工系の専門教育に力を入れているたいへんユニークな高校です。「スーパーサイエンスハイスクールSSH」と「スーパーグローバルハイスクールSGH」の指定も受けています。
第10グループの高校生たちは、仲道副校長の歓迎の挨拶と高校の概要説明を受けた後、5つの分野(応用化学、情報システム、機械システム、電気・電子、建築デザイン)に分かれて実習に臨みました。
電気電子分野ではペットボトルを使って風力発電機をつくる実習です。担当の河野先生から「電気とは何か?」という講義を受けた後、さっそく発電機の制作に取り掛かりました。同分野を専攻している2年生の生徒がサポートにあたります。
応用化学分野では「ガラスのプレートで鏡をつくる」実験です。ガラスのプレートを硫酸銀と還元剤の中に浸し、銀メッキで鏡をつくります。担当の森安先生と豊前先生がていねいにやり方を説明し、日本の高校生たちがアシスタントとしてきちんと指導してくれます。
情報システム分野はコンピュータグラフィクス(CG)の実習です。プログラムを組んで球体をつくり、それを動かそうというのが今回のテーマです。SSHPの高校生一人に日本人の高校生が付き、ほぼマンツーマン体制でCGの作成に取り掛かります。
「機械の模型を紙細工でつくる」がテーマは、機械システム分野です。紙を使った模型で機械が動く仕組みを学ぼうというものです。SSHPの高校生たちは熱心に紙細工に取り組んでいました。
最後の建築デザイン分野は「Let’s make a secret base (秘密基地をつくろう)」というテーマのもと、骨組みだけの模型の家に自分たちで考えた壁をつくる実習です。材料は不要になったチラシや牛乳の紙パックで、いずれも廃棄されるゴミの再利用です。このテーマや材料は同分野を専攻している生徒たちが自分たちで考えたとのことでした。
午前中、約2時間という限られた時間でしたが、いずれも非常によく練られたプログラム内容で、SSHPの高校生たちは充実した実習時間を過ごし、自分たちがつくった鏡や風力発電機をお土産に、科学技術高校を後にしました。