2017年度 活動レポート 第7グループ:中央水産研究所(横浜市)を訪問

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第35号

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム第7グループ
中央水産研究所(横浜市)を訪問しました。

7月2日(日)に来日した第7グループ(中国、韓国、シンガポール)のうち、中国の高校生と引率者計44人が、7日(金)、中央水産研究所(横浜市金沢区)を訪問しました。

中央水産研究所は明治時代に開所し、100年以上の歴史を誇る研究所です。高校生たちはまず、市橋秀樹業務推進課長より、研究所の概要を説明していただいたあと、所内を見学しました。

プランクトン画像解析室では全国から年間760点集まるプランクトンのサンプルデータを解析しています。50年前に始まったプランクトンネットを使ったサンプル収集も今ではビデオで撮影したデータを収集していて、そのほうが柔らかいプランクトンも形を壊すことなく分析できると伺いました。また、ホルマリン漬けのプランクトンを画像で解析するシステムも使用しているとのことでした。

写真1
プランクトンのサンプルを熱心に観察する中国の高校生

放射能の海洋生態系への影響を研究しているグループでの研究は、古くはビキニ環礁で被ばくした第五福竜丸への放射能の影響を分析したことから始まり、最近では東日本大震災後の福島の状況を主に分析し、多方面に情報提供しているとのことでした。(平成27年以降、基準値を超えたことはないとのことです)

多くの魚の剥製が展示されている資料館では、おなじみの魚介類のみでなく、深海魚の剥製や、脚が8本あるイカ(タコイカ)など珍しい標本が展示されています。また、調理後の食品サンプルを展示しているコーナーがあり、最近の子供達は魚と食品が結び付かないためにそのような展示をしていると説明がありました。

写真4
中央が、八本足の「タコイカ」
写真3 海にいる魚がどのように食卓にのぼるのか、食品サンプルで説明しています。
写真2
巨大なイカの剥製が展示されています。

また、海水からの赤外線の量で水温を測り、人工衛星を使って各地の水温データを収集、分析する計測器や、古くからの海洋図を使って、真鰯の捕獲量の推移を分析し、大きな増減を繰り返しているということが分かった研究結果など、興味深く説明していただきました。

写真5
古い海洋図を熱心に観察する中国の高校生たち
写真6
人工衛星で集めた水温データを収集して解析しています。

中国の高校生は訪問中、メモを取ったり、担当の方に質問したりして、楽しみながら熱心に海洋生物や環境について学んでいました。

写真7
最後に集合写真を撮りました。