さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第34号
さくらサイエンスハイスクール第7グループ
理化学研究所にて最先端の研究に触れる!
ハイスクール第7グループのA班(韓国13人、引率者含む),シンガポール(12人、引率者含む)は、7月7日(金) に理化学研究所(和光市)を訪問しました。
連日のハードスケジュールにもかかわらず、元気いっぱいの高校生たちは、まず鈴木純子調査役より、理化学研究所の概要について説明を受けました。
世界各国から研究者が集まるインターナショナルな環境の中で追求される幅広い研究分野、そしてその研究の成果が、社会のために還元されていることなどに、皆、とても興味深く耳を傾けていました。
次に向かったのは水素からウランまでの全元素、約4000種類の不安定原子核(RI)を、世界最大強度のビームとして発生させることができる最先端加速器施設、仁科加速器研究センターのBIビームファクトリーです。アジアの国からは初めて国際機関から認定された、113番元素「ニホニウム」もこの研究施設によって発見されました。
「元素の起源をさぐる」というダイナミックな映像によって、実際に施設で行われている大規模な実験内容について学んだり、レゴブロックで組み立てられた核図表を前に、渡邊康研究員、今尾浩士研究員から詳細な説明を受けたり、大変充実した時間が流れました。科学分野の専門用語が散りばめられた英語にもしっかり対応し、研究員に目を輝かせて積極的に質問をする優秀な高校生たち。さすがです。
その後は、2班に分かれ、韓国チームは大森素形材工学研究室、シンガポールチームは産業連携本部イノベーション推進センター中村特別研究室を、それぞれ訪問させてもらいました。
筆者が同行した中村特別研究室は、植物の光合成など、自然界で長い年月をかけて進化を遂げた生物に備わる機能を、分子レベルで徹底的に解明し、次世代エネルギー関連技術の開発につなげるという、大変ユニークな研究を行っている研究室です。(研究室内は撮影禁止でした)
常に水を弾く性質がある蓮の葉、逆に水を保持する性質があるバラの花びら、体の外側に貯めた水を巧みに飲み込みながら砂漠を生きる昆虫など、スライドを使用した中村振一郎特別招聘研究員によるユーモアあふれる解説に、シンガポールの高校生たちはあっという間に引き込まれていきました。
そして、植物を構成する分子の運動、揺らぎを計算しそのまま音にあてはめた、何とも心地よく響きわたる音楽が流れた瞬間には、一同から歓声があがっていました。
朝から照りつける強い日差しと湿気で、じっと立っているだけでも汗が吹き出てくるような気候でしたが、緑あふれる理化学研究所の敷地内はとても爽やかでした。
高校生たちは名残惜しく理化学研究所を後にし、昼食会場へと向かいました。