さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第29号
さくらサイエンスハイスクールプログラム第6グループ
日本の高校生と科学交流を楽しみ、野依先生の講義に啓発される
ハイスクールプログラム第6グループ(インド・ラオス・モンゴル)計80名(引率者含む)は6月8日(木)、東京学芸大学附属国際中等教育学校(TGUISS)を訪れました。同校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)やスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受け、中高6年間の一貫教育を行っています。
さくらサイエンスの高校生を迎えてくれたのは4年生と5年生の生徒たち。8組に分かれた高校生たちは自己紹介からスタートしました。帰国子女が多く学ぶ同校では、バイリンガルの生徒もかなりいるため、言葉の壁もあまりなく、生徒たちはすぐに仲良くなって会話も弾んでいました。
やがてクラスごとにさまざまな授業が始まりました。授業のテーマは同校の生徒が自分たちで考えたもので、「葉肉を水酸化ナトリウムで溶かして栞をつくる」「ストローだけでタワーをつくる」「食塩水を使って6色の層をつくる」そして「数学クイズ」など、どれもが理数系の内容で、実にバラエティに富んだものでした。
「数学クイズ」のクラスでは、インドの高校生が瞬時に解答するのを見て、日本人の生徒たちは皆ビックリ。「さすがインド!」と数学レベルの高さを実感していました。
その後、全員が集合して交流会が開かれ、佐藤正光校長や生徒代表が歓迎の言葉を述べました。インド、ラオス、モンゴルの高校生からは自国の紹介や学生生活の紹介などのプレゼンテーションがあり、最後は泡がモクモクと発生する科学実験で午前中のプログラムは終了しました。
午後からはいよいよ2001年にノーベル化学賞を受賞した野依良治先生の講義です。700名近い生徒に迎えられ登壇した先生は、「何故化学に興味をもつようになったか」という自身の生い立ちから、ノーベル賞受賞の対象となった「鏡像異性体(鏡を写したように左右逆の構造が違う分子)の作り分け」について解説してくれました。
最後に先生は、「さまざまな分野でのイノベーションを体験してきた私たちはこれからどこに向かって進んでいくのだろうか?」と質問を投げかけ、「これから社会に出る皆さんは最先端技術を駆使できるだけでなく、社会のリーダーとならなくてはならない」と、激励の言葉で締めくくりました。
質疑応答ではさくらサイエンスの高校生はもとより日本人の生徒からも多くの手が挙がり、先生はひとつひとつ丁寧に答えてくれました。